2000/09/18更新
今日のエッセイ
夕焼けと秋の気配

小雨が残る夕暮れ時。
軽くなってしまった財布に、栄養補給をするために、銀行に向かった。
CDのブースに入り、可能なだけ口座からお金を引き出すと、
残高は、僅かに50円となった。
その分、財布は膨らんだかというと、
角打ちか屋台で一杯、はいけても、 お洒落な店にはとても入れない。
夏の過ぎ去るのとと共に、僕の財布にも、秋風が吹き込んで来た。

CDのブースの、ガラスのトビラを押し、外に出ると、
いつの間にか、雨は上がっていた。
そして、西から北の空の雲は、夕焼けで真っ赤に染まっていた。
海も、その色を写し、海面から空に向かって赤く染まっていた。
こんなに、見事に色づいた夕焼けを見るのは、久しぶりだった。
財布だけでなく、空にも、秋の気配は着実に近づいてきていることを実感した。

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