2000/06/17更新
今日のエッセイ
螢(ホタル!)の季節です。

就職で東京へ出て、かれこれ20年。
東京では、毎年ソニービルにて行われる、「岡山,矢掛けの螢」の、観光キャンペーンで見ただけ。
暗幕で覆われた小さな建物に入ると、ガラス越しに光るホタルを見ることができた。
しかし、子ども達を連れて見に行ったが、なんだか違っていた。
せせらぎの水の音や、ホタルの臭いが感じられないからだろう。
それに、風の臭いも。

子供の頃、この季節には、普通にホタルは見ることができた。
ただし、あの頃は、夜道は本当に暗くて、懐中電灯を持って、大人と一緒でないと外には出してもらえなかったけど。
ホタルを捕まえるのは、網など使わずに、団扇。
ふんわりと飛ぶホタルは、団扇をかるくさし出せば、そこにとまった。
ちょっと緑がかったほのかな光が、団扇に拡がり、反射する明かりで、ホタルの姿が浮かび上がる。
そしてまた、ホタルは飛んでいく。

ホタル狩りと紅葉狩りは、実際には何も持ち帰らない。
記憶・思い出の中に、あるいはせいぜい写真や文章に残すもの。

そろそろ、天気を見て、ホタル狩りに出かけようか。

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