2000/08/02更新
今日のエッセイ
梅雨明けと沖縄の海

彼女から告白されて、それに答えることが出来ない自分に、
むなしさを覚えながら家路についた。
風呂で汗を流した後、ビールも飲まず、珍しくそのままベッドに入った。
雨上がりの蒸し暑い夜。
クーラーをタイマーで1時間半だけ、セットして、KanonのCDが子守歌に。

一夜が明けて、外は、夏空。
気分を変えようと、クローゼットから、今年初めての麻のスーツを取り出す。
サングラスをして、ラジオからのアップテンポな音楽を聴きながらオフィスへと向かう。
気分だけは、カリフォルニア。
有楽町から、オフィスへ向かう途中、梅雨の雨で痛んだ靴に油を補給してやろうと、
高速道路下で靴磨きのおじさんの前に、座った。
いつものように、世間話をしながら、道行く人を眺める。
目の前を、たくさんの車が通り、バスが信号で止まる。
バスの乗客の視線が、上から降ってくる。
不思議なモノで、話をしながらバスを見上げていると、
見られているのは、表情のないバスの乗客の方で、こちらは見ている側になっている。

さて、沖縄サミット、首脳はバスに乗って見上げられていたのだろうか、
それとも、バスを見上げるつもりで、バスから見られていたのだろうか。

銀座にも、都会の夏がやってきた。

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