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「この子たちの希望の光を決して消させない・発達障害を救う」が刊行
【書籍冒頭部分「はじめに」より抜粋】
多動症との出会いは、シカゴの小児病院で小児神経の研修を受けていたときだ。私にとって衝撃的といえる症状だった。このとき、日本には、こんなに落ち着きなく動き回る子どもはいないと心底思っていた。医師として未熟な時期であった。
帰国後、驚いたことに、そのような症状を持つ子どもと連日のように遭遇することになった。
後に、CTが一般的に普及されたために、知的障害のある子どもたちにもCT検査が適応され、日常茶飯事のようにくも膜のう胞の診断が下された。そのなかに、大きなくも膜のう胞が側頭葉前面にできている子どもがいて、言葉の遅れ、多動、自閉的な症状が現れていた。そうした子どもたちの治療に、私は没頭していった。
しかし残念ながら、くも膜のう胞は治療することで消失したが、言葉の遅れ、多動、自閉症的な症状の消失を見ることはなかった。これが1980年代前半の話である。
ところが、1994年から数年間にわたって治療を行った中等度から軽度三角頭蓋の子どもたちは、言葉の遅れ、多動、自閉傾向の症状が改善した。あるいは消失していた。
この事実に正直なところ私自身たいへん戸惑った。
自閉症という確立された疾患の治療ではなく、軽度三角頭蓋の病態でも脳機能を悪化させて自閉症と同様の症状を招いているという事実があり、三角頭蓋の治療をすることで、自閉症といわれる患児に現れる症状の改善につながっている・・・・
いかなる反論があろうとも、実践しながら研究を前に進めていく覚悟である。治療後の子どもたちやご両親の明るい声が何よりの励みになっている。
【目次】
はじめに
第1章 衝撃的な出会い
第2章 軽度三角頭蓋とは
第3章 根本から考えを変えた症例
第4章 学会への挑戦
第5章 痛烈な批判
第6章 切なる母の訴え
第7章 印象に残る症例
第8章 症状とメカニズム
第9章 不変例……なぜか?
第10章 応援団としての“長崎三角頭蓋の会”
第11章 海外からの患児
第12章 兄弟例
第13章 論文・最近の研究
おわりに
推薦の弁
【書籍・著者概要】 | |
書名: | この子たちの希望の光を決して消させない・発達障害を救う |
著者: | 小児脳神経外科医 下地 武義 |
定価: | 1,400円+税 |
刊行予定: | 2019年11月末頃 |
購入は:
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4774518328/kosodate-22/
<2019/11/08>
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