2007/10/26

マデラインちゃん−2

アメリカの医療費は半端でなく高額です。
家庭医に会って処方箋を出してもらうだけの15分診療で、180ドル、初診だと300ドル近くかかります。
数年前に胃カメラを受けた時は、2割自己負担にもかかわらず、300ドルを自己負担したと記憶しています。日本の医療機関に勤める友人が、日本で自費で受ける検査の方が安いよ、と教えてくれました。

保険の仕組みも複雑で、カバーしてくれない治療もあれば、入っている保険によっては、その医療費の何割が自己負担になるか違います。年度始めにまず幾らか(ディダクティブ)を自己負担した後でなければ、保険会社が割合ぶんを負担しない場合もあります。つまりディダクティブが200ドルとすると、自分で医療機関に200ドルを払って初めて、保険会社の負担が始まるわけです。条件の良いものだと、全額保険が負担するもの、また15ドルほどの自己負担で、保険が残りを支払ってくれるものもありますが、そんな好条件の保険に自分で加入するとなると、とてつもなく高額です。仕事を選ぶときに、手当(ベネフィット)の一部に条件の良い保険があることも会社を選ぶ条件のひとつとなるといってもいいと思います。更に国民保険の仕組みがないアメリカでは、個人では負担が大きすぎて加入できない被保険者が多く、大きな社会問題となっています。医者の世話になることが多くなる高齢者も、国が補償する老人医療がカバーしない費用を補填する第2の保険に加入する傾向にあると聞きます。

私が帝王切開の3日間入院で1600ドルを費やしたことから考えても、マデラインちゃんの数ヶ月にわたる長期入院と化学治療は、想像もつかない額になるでしょう。一家は病院のある都市に家を借り、仮に移りました。医療費だけでなく、かかわる費用は山のようにあるでしょう。
命はお金で買えない、といいますが、アメリカの医療制度からすると命はお金次第、と決められているようにさえ思えます。

マデラインちゃんが一日も早く良くなって、元気な姿を見せてくれるよう、願ってやみません。


アメリカからのこそだて奮闘記


日本で大手企業の広報課長を務めているときに、アメリカ人の英会話教室の先生と結婚、渡米。日米の文化の違いに悩まされながら、子育てに奮闘中。

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