2006/5/11

ドメスティックバイオレンス

最近、顔色の冴えない上司が、あることをきっかけに、突然自身のことをとつとつと話し出しました。

ドメスティックバイオレンス(DV)。

彼女の話によると、ある日お酒を飲んだ彼女の夫が不審な行動をとり始め、自分の身に危険を感じたので家を出た。その夜はホテルに泊まろうと思ったが、着の身着のまま。身の回りのものを取りに自宅に一人で帰るのは心細かったので、警察に電話をした。彼女の夫はその場で逮捕された。ということでした。
彼女は、自分が洋服を取りに帰る間だけ、警察に夫のことを見張ってほしかったのだそうですが、警察としては、通報があった以上、法律に従って行動せざるを得ません。彼女は夫の逮捕を見てから、大変なことになってしまったと、通報を後悔。彼は収容所を出たものの、2ヶ月間は面会を禁止されているために、彼女はいわゆる「申立書」を裁判所に提出し、その期間が短くなる手続きを取ったそうです。第一回意見陳述はそれでも1ヵ月後です。
実際に彼女がどれだけの被害を被ったのかは不明ですが、身の危険を感じたのもDVです。

私が大学で、日本からの学生のためにボランティアをしていた随分前のことです。日本人学生がガールフレンドを壁に乱暴に押し付けたということで、彼女の友人から学校の警備員へ、そして警察に連絡が入り、彼は逮捕。その後彼は国外追放処分になりました。この場合、恋人関係でもDVは適用されたのです。

夫の友人の刑事によると、DVはとても扱い難い事件なのだそうです。間に恋愛感情があるだけに、通報に出動しても「もう大丈夫」時には「そんな通報はしていない」とまで言われるとか。大学生の例では、通報は彼女の友人でした。

アメリカではDVで命を落とす例も多くあります。命を失くすまで我慢してしまっては、何にもなりません。この問題に直面している人は、弱者として保護されるのは正義を通すことだ、ということを忘れずに、立ち上がって欲しいと思います。


アメリカからのこそだて奮闘記


日本で大手企業の広報課長を務めているときに、アメリカ人の英会話教室の先生と結婚、渡米。日米の文化の違いに悩まされながら、子育てに奮闘中。

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