2002/9/12

一年前

朝おきまりのニュースを見ようとテレビをつけたら、キャスターの緊張した顔と声。そしてとっさには信じ難い映像が流れてきました。何度も、くりかえし。一日中。あまりに平凡な町に住むわたしにとっては、実感が湧きにくく、それでも次々と入ってくる情報で、それが大変な事件であることがようやくわかりだしたのを、覚えています。

身近では、パキスタンから米国に永住している友人が、事件以降しばらくの間、とても辛そうにしていました。職場では、この事件以前は近しくしていた人が彼を避けるようになり、町でもあまり良い思いをしなかったそうです。また逆に、あまり話したこともなかった人から「容疑者が同じイスラム教圏出身であるだけで、きみ自身には何ら関係ない。嫌なことがあるかもしれないけど、気にしないように」という暖かい言葉をもらった、という話もしてくれました。

突然の衝撃的な事件に、米国民は更に愛国心を強くしました。未だに家々に掲げられる星条旗は、その象徴と言えるでしょう。被害に遭われた方やそのご家族の心労は、当事者でないわたしには量りきれないことです。でも、容疑者の国やその国民を、非難や攻撃の対象にするのは、同じ地球に住む人間としてとても悲しいことです。何をしてこの事件を終わりとするのでしょうか。首謀者を捕らえたら終わるのでしょうか。それまでに、何人の罪のない人々が犠牲になるのでしょうか。

この事件に関して、中学生の考えを知る機会がありました。首謀者を捕える、首謀者の国の中心部を破壊する、といった意見がある中で、ある生徒は、自分のこどもには、起こった事実と共に助けが必要な人には手を差し伸べることが大切だということをきちんと伝えたい。と結んでいました。わたしの息子だったら、何と言うだろう、とふと思いました。

撤退指示を聞き入れず、自らの使命感に従い現場に向かい、亡くなった消防士たち。そして、この事件に巻き込まれ、お亡くなりになったすべての方々のご冥福をあらためて祈ります。


アメリカからのこそだて奮闘記


日本で大手企業の広報課長を務めているときに、アメリカ人の英会話教室の先生と結婚、渡米。日米の文化の違いに悩まされながら、子育てに奮闘中。

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