2002/6/6

悲しい話

一年前、この平和な田舎町で、とても悲しいできごとがありました。
5歳の男の子が同居する母親の内縁の夫から虐待を受け、亡くなりました。真実を話さないようにと脅されながら、肉体と精神の苦痛に耐えた幼児の辛い日々を思うとやりきれません。
子供の骨折やあざを遊びの中で起きたことだと誤認し、また医者にも満足に連れて行かなかった母親と理性を制御できずに5歳の子供を死に至るまで虐待し続けた「大人」。悲しい環境です。
この事件を更に辛いものにしたのは郡の家庭相談所と警察の対応です。幼稚園の教師の再三にわたる調査依頼に、相談所と警察は虐待の事実を確認できず、死亡という最悪の事態を受けて詳しく調査が行われ、ようやくその事実が認められたのです。

偶然にも、新聞でこの事件を1年間にわたり担当した記者は、私の知り合いで息子と同じ年の女の子の母親でもあります。彼女は仕事と割り切ることに徹したからとさばさばしていましたが、母親としての心中は決して穏やかではなかったようです。

米国での18歳以下の児童虐待は全体の約半数が母親によるものと言われています。「これでよし」という区切りがない仕事、365日24時間の育児は本当に疲れるし、ストレスも溜まります。言うことを聞いてくれなくて、気持ちが高ぶることもありますが、そういう時は大きく深呼吸。相手は親の保護なしでいられない、無抵抗の子供ということを思い返す一瞬が必要です。

先月この事件の判決がでました。幼稚園の教師が棺に横たわる子供に「あなたをこんな目に合わせた人を必ず裁いてもらうから」と語ったその約束がようやくかなったのです。
また、事件直後に始まった記念碑設立の計画とそのための寄付活動がこの1年で着々と進みました。まもなく、市民公園の一角に小さなバラ園といくつかの遊具が記念碑とともに設置されます。


アメリカからのこそだて奮闘記


日本で大手企業の広報課長を務めているときに、アメリカ人の英会話教室の先生と結婚、渡米。日米の文化の違いに悩まされながら、子育てに奮闘中。

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