2002/5/23

医療保険の話

病気になったり、怪我をして病院に行く時には医療保険がないと大変です。保険がなければ、医師に会って処方箋を書いてもらうだけの5分間で、100ドルなんてこともありえます。
企業によっては、自社で診療所を持つほどシステムができているところもありますが、一般的には保険会社に事業主として契約し、従業員と多くの場合その家族に保険を掛けてくれます。

では個人事業主や保険の支給がない企業に勤めている人は?
米国には日本の国民健康保険にあたる政府の管掌する保険がありません。保険会社と個人で契約することになります。その掛け金の高いこと!全費用の何%を負担するかなど、様々な契約方法がありますが、例を挙げると親子3人で500ドルは安い部類に入ります。低所得世帯には政府の無償保険制度が適用されますが、その基準には満たずに、多額の保険金を支払うことが困難な家庭は無保険、つまり保険に入らないことを選ばざるを得ません。医療費の高いアメリカで、無保険でいるのは冒険をするようなもの。でも無保険者の数は3,800万人(2000年)。全人口の14%にあたります。

これまでにも政府運営の国民保険を作ろうと何度も議会に上がっては、いつも却下されてきたそうです。理由は?この案を実現するとなると膨大な資金とエネルギーが必要なのでしょうが、一般の人たちは「自分がかける保険金の高い安いを気にしない議員たち」「保険会社の圧力」などと言っています。

ずっと以前にテレビのドキュメンタリー番組で、医療費が高いのはなぜだ、ということを特集していました。病院のER(救命救急室)は患者を保険のあるなし、医療費が払えるかどうかなどの基準で選んで診察してはいけないことになっているのだそうです。病院はそこで回収できない医療費を穴埋めするために、他で診療費を積み上げることになります。そして、市販で買えば、100錠入りで10ドルもしない鎮痛剤と全く一緒のものが、入院患者には1錠1〜2ドルという高額になってしまうのだそうです。すごい理屈なのですが、これが現実です。

「私、鎮痛剤家から持ってきました!」って言いたくなりますよねえ。


アメリカからのこそだて奮闘記


日本で大手企業の広報課長を務めているときに、アメリカ人の英会話教室の先生と結婚、渡米。日米の文化の違いに悩まされながら、子育てに奮闘中。

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