2002/2/14

資金集めの話

土曜の夕方、近所の子がダンボール箱を抱えて我が家の戸をノックしました。中にはあるファストフードの業務用ジャムが何十個も入っています。幼稚園に通う彼は「資金集めをしてるんだけど、買ってくれない?」何の資金集めか、という部分は「around here」と表現したのでおそらく自分のお小遣いのためでしょう。

米国ではボランティアと同じく「fundraising」と呼ばれる資金集めがよく行なわれます。ガールスカウトのクッキー、ボーイスカウトのポップコーンは全国的に有名です。小学生の子供達が、一軒一軒訪問してはクッキーやポップコーンを売って、その収益を自分達の活動の資金に充てるのです。もちろん大人も付き添いますが、これは道中と訪問先での安全を確認するだけ。私が子供と話している時も何メートルも後ろに立って、こちらに手を振る程度です。きっとどきどきしながら見てるんでしょうけれど、子供に任せるには親の勇気も必要ですよね。日本だとまず親が先に立ってお願いする形になるかなあ、などとぼんやり思いましたが、どうでしょう。
小学校も専用のカタログを用意して、雑誌の年間購読からCDまで売りますし、高校のクラブは果樹園と提携してりんごを売り、遠征の費用を捻出するのです。どれも少々お値段は高めですが、商品はきちんとしたものなので安心です。

私がちょっとばかりお手伝いをしている姉妹都市提携の事務局も予算はゼロ。教育や技術面での国際化を応援する人達から、メンバーシップの形で寄付を募り運営します。こちらはすぐに結果が見えないものへの寄付ですから、ちょっと大変です。

さて、幼稚園児はどうやってジャムを手に入れたのか?謎です。
うちは買いませんでしたが、その「fundraising」訪問のあと、もっとつわものがいたことがわかりました。うちの主人です。「僕は小学一年の時に、道端で拾った「石」を友達と一緒に近所に売って回ったよ。ははは。」彼が生まれ育った、顔見知りの近所の人達は「きれいねえ、これ買うわ」なんて言いながら、1セント、5セントを渡してくれたそうです。
日本だとたぶんお醤油をお隣さんに借りることができた、のどかな時代の話でした。

アメリカからのこそだて奮闘記


日本で大手企業の広報課長を務めているときに、アメリカ人の英会話教室の先生と結婚、渡米。日米の文化の違いに悩まされながら、子育てに奮闘中。

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