2001/12/20

医者探し

寒くなってきました。風邪を引いている方もいらっしゃるでしょう。

先日、息子が中耳炎になりました。熱も続いていましたし、耳を押さえて痛がります。一刻も早く医者に診てもらいたくて予約を入れるため、電話帳で「当日受診可能」と印されている病院を探しました。米国で緊急治療室(ER)以外の医者にかかるには事前に予約が必要なのです。引っ越したばかりでかかりつけがありません。

電話する端から断わられ、途方に暮れました。ある看護婦からは「もし以前に一度でもかかったことがあれば今日診てあげるけど、初めてだからできないわ。そうねえ、1週間後なら何とか患者ファイル(カルテ)を作ってあげる。待てないならERに行くしかないわね」と言われ、唖然。医者に会えるのは病気の具合でなく、新患かそうでないかが問題なの?中耳炎になることが前々からわかるわけないし、それにERって事故で血だらけになったり心臓発作とか命に係わる時にいくところじゃないの?じゃあ「既患者は当日受診可能」って書くべきじゃない。すっかり舞い上がっていましたがこれは全部心のつぶやき。つくづく英語で立ち向かう勇気のない私です。何とか診てもらえる医者を探し、それでも6時間以上待ってようやく抗生物質の処方をしてもらいました。

後日、こちらで医療に携わる方から健康な時に医者に会い、既往症などを記録してもらっておくことが大事で、看護婦の取った言動は責任ある医療を行なうための常識なのだと教えて頂きました。息子は今まで検診以外で病院に行ったことがなく、しかも生まれた時から同じ医者に診てもらっていたので、私自身が「かかりつけをつくる」という意識が全くなかったのです。

もっとも「医者に会えない」問題は我が町だけでなく、もっと大きくて医者もたくさんいるはずの都市にもあるようです。「皮膚科の予約が6週間後でその頃にはもう湿疹が退いていたのよ」「自分のかかりつけはもう新患はとらない(!)けど受診するまでに1ヵ月はかかる」「私は何かあったらERに行くことにしてる、手続きも簡単だし対応がいいもの」という友人たちの話を聞き、何だかこれってちょっと違うんじゃないかと思うのです。


アメリカからのこそだて奮闘記


日本で大手企業の広報課長を務めているときに、アメリカ人の英会話教室の先生と結婚、渡米。日米の文化の違いに悩まされながら、子育てに奮闘中。

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