2008/1/10

Q:反抗期をどう乗り越えればいい?

◆投稿者: 女性・32歳(子ども:女の子・3歳9カ月/女の子・1歳)

うちの3歳の娘が反抗期で大変です。もう何を言っても無視。私が「お母さんとお話ししたくないならもういいよ」と言えば、「お話しするの!だめなの!」と怒り、挙句の果てに「お母さん嫌い!」と叫ぶ始末。こうなるともう、「嫌いで結構!」という私の突き放しに泣き出しておしまいです。

実家でもひどくぐずったことがあって、その時は「もう連れて帰る!」と言って、泣きじゃくる娘を抱えて玄関まで連れて行ったのですが、それでも「帰らない!」と泣きじゃくるので、下の子と二人だけで帰ろうと靴を履くと、やっとそこで「ごめんね。もう悪いことしない……。言うこと聞くから置いていかないで」と折れてきました。

娘のこうした態度と私の対応は、もう決まり切ったパターンなので、誰も何とも思いません。ところが、実家でそんな様子を見ていた私の妹と弟は「子どもがかわいそう」と言います。「子どもに対してわがままだな。もっと大人になれよ」と思っているようなのです。母は、最近ようやく「反抗期だからしょうがないんだよ」とフォローしてくれるようになりましたが、妹と弟は子どもの反抗期がどんなものか、わかっていません。説明してもわかってもらえないですよね、きっと。

ごめんなさい。愚痴になってしまいましたが、こんな経験をされた方がいらっしゃったら、どう乗り越えたか聞かせてほしいです。よろしくお願いします。


A:子どもの不快感情を言葉にしてあげる

◆大河原 美以(おおかわら みい)先生
東京学芸大学教育学部教授。臨床心理士。不登校やキレる子など、子どもの心の問題の治療援助が専門。思春期になってからの問題を予防するための著書に『ちゃんと泣ける子に育てよう−親には子どもの感情を育てる義務がある』(河出書房新社)がある。1児の母。

こんなときは、コミュニケーションの悪循環にはまっているのです。その悪循環は、お母さんの言葉が二重のメッセージになっていることから起こります。「お母さんとお話ししたくないならもういいよ」というメッセージは、同時に「お母さんの言うこときかない子はきらい」ということを、暗に伝えてしまいます。そして、ぐずぐずのお話を「やめても」「続けても」いずれにしても、叱られてしまう状況です。お子さんは、語られないけれど伝わっているママの気持ちのほうに反応して、ますますぐずぐずになってしまいます。

こんなときには、子どもの身体の中に流れている不快感情を言葉にしてあげるというコミュニケーションが役立ちます。「○○で怒ったんだね」「自分がしたいようにしたいんだね」「ママがいらいらしているのがわかるから、あなたもいらいらしてきたんだね」なんて言ってあげると、すっと落ち着いたりするものです。「ぐずぐずするんじゃないの!」と言うよりも、「ぐずぐずしたい気分なんだね」と言ったほうが、ずっと早くぐずぐずがおさまるんです。ちょっと試してみてください。コツをつかむとそんなに難しくないものです。自分の不快感情をママに言葉にしてもらえると、子どもは安心感を得ることができますから、次の行動を受け入れることができるようになります。

身体の中を流れる不快感情を承認され、言葉にしてもらうこと、それによって、不快感情をコントロールする力=耐性が育ちます。ただし、この耐性がほんとに実現するのは、中学生になってからと思ってくださいね。小さいうちはぐずぐずできる子がよい子です。

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(C)YOKO SASAKI

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