2005/3/10

Q:戦いごっこと悪者

◆投稿者:30歳・女性(男の子・2歳11カ月)

今日は、長男の遊びと趣味についてご相談させてください。

うちの長男は、赤ちゃんの頃からあまりおもちゃで遊ぶほうではありませんでした。2歳ちょっと前からアバ○ンジャーが好きになり、いまでは仮○ライダーやらウル○ラマンが大好きです。というより、それに出てくる悪役のほうが好きなんです。フィギュアなども怪獣だとか、めずらしいものをほしがります。そんなお子さんをお持ちの方いらっしゃいますか?

それから、遊びといえば戦いごっこなのも困ってます。本気でたたいたりキックしてくるのでつきあいきれないし、相手が「痛い」とか「やめて」と言ったらやめるんだよと教えても「はい」と答えたすぐあとにはまた始まっています。

これには妊娠中はまいりました。ほかの遊びは長続きしませんし、言葉が遅いので「トヤー!」とか「ウリャー!」とかしか言わない戦いごっこは、さらにコミュニケーションが不足して悪いんじゃないかと心配です。

同じような経験をされた方いらっしゃいましたら、アドバイスをよろしくお願いします。



A:子どもが 快いこと=遊び

◆天野秀昭(あまの ひであき)先生
天野先生 世田谷ボランティア協会事業部次長。
自分の責任で自由に遊ぶ冒険遊び場“羽根木プレーパーク”の初代プレーリーダー。
18歳までの子ども専用電話「チャイルドライン」を日本ではじめて立ち上げた。
『チャレンジ あそび大事典』(偕成社刊)監修ほか。
2児の父。

テレビゲームなどは、プログラムをクリアしていく消費する玩具。私は「プレーパーク」という活動を行っていますが、そこには業者が作った遊具などはいっさいありません。子どもは自分たちで、どんどん遊びを創造していきます。

おとなは目的や結果に向かって行動するものですが、子どもの遊びでは快いこと、楽しいことが優先されていきます。「落とし穴を掘ってみよう」と穴を掘っていたら、土の中からのかけらを発見し、発掘遊びになってしまうなんて、目的が途中で変わってしまうことはよくあること。プロセスの中に遊びがあります。

戦いごっこが好きなのも、友だちと戦いごっこをするのが楽しいからでしょう。戦いごっこの悪者が好きな子がいるのも、その子にとってその悪者が「かっこいい」存在だから。ものすごく相手と息があって、延々と戦いごっこをしていることもあるかもしれません。戦いごっこをしながら遊び方の加減や、相手とのコミュニケーション(間の取り方、かけあい……)など、体感しています。

自分がちょっと痛い思いをしたら、また戦っている相手を泣かしてしまったら、不快な気持ちになる……。その不快な感じを体験するのも大切なことだと思います。

子どもはおとなのように物ごとを「善か悪か」で判断せず、まず「快か不快か」を感じて行動を起こします。そしてこの「快」をたくさん体験することによって、自分の気持ちに根がはっていくのだと思います。

     

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