スマホ育児が子どもの心身に与える影響

子どもをあやしたり待たせたりする場面で、スマートフォンや動画に頼る「スマホ育児」。遊び方や遊び場を調べる便利な道具である一方で、子どもに頻繁に長時間見せる使い方はやめましょう。

乳幼児期は、親や身近な人とのやり取りを通して、愛着の形成、感情の調整を少しずつ身につけ、言葉の発達が促されている時期です。スマホに頼る時間が増えると、抱っこや声かけといった日々の関わりや、子どもの気持ちに気づく機会が少なくなる懸念があります。

子どもが泣いたり不機嫌になったりしたとき、スマホを見せると一時的に落ち着くことがあります。ただ、ぐずりは子どもが自分の気持ちを調整する力を育てている途中の姿でもあります。

画面を見せる前に子どもの様子を見ることで、眠い、甘えたいといった本当の気持ちに気づきやすくなります。

スマホの動画は色や音が刺激的で画面の切り替わりを激しくして、子どもが見続けるように設計されています。親のカバンを探ってスマホを取り出し、見せてほしいと強く求めたり、子ども自身が気持ちをコントロールすることが難しくなったりすることがあります。自分の興味・関心を満たし体や心(ドキドキ、ワクワク、不思議だななど)を動かす主体的な遊びや絵本を読む、読んでもらう機会が大事です。

スマホを長時間見ることで心配される影響には、次のようなものがあります。

  • 言葉の発達が遅れる
  • 目に負担がかかり、近視、内斜視が問題になっている
  • 寝る前の利用で質の良い睡眠が取れない、夜更かしになる
  • 見せないと騒ぐようになる

 

便利なツールと上手に付き合いながら、まずは親子の直接的な関わりを大切にしていきましょう。

 

乳幼児期だからこそ大切にしたい「五感を使った実体験」

動画は一方的に視聴するもので、子どもは画面から次々と流れてくる情報を受け取っている状態です。子どもが立ち止まって感じたり考えたりする機会は、実体験の中でこそ育まれます。

乳幼児期の子どもは、見る、聞く、触れる、においを感じる、体を動かすといった「五感」を使った実体験を通して世界を理解していきます。積み木を握る、砂や水に触れる、公園で走る、友だちの遊びを見たり、友だちと関わったりする……。こうした何気ない遊びの中で、子どもは自ら発見したり、考え、チャレンジしたりしていきます。遊びには子どもの好奇心を養い、成長を支える学びがあります。

 

家事や外出先での待ち時間など、保護者がどうしても手を離せない場面でスマホに助けてもらうこともあるかもしれません。ただし、スマホを見ている時間が増えることで、子どもが実際に体験したり、遊んだり、親子で関わったりする時間が少なくなってしまうことには注意が必要です。

なるべくスマホに頼りすぎず、絵本を読む、同じものを見て笑い合う、体を動かして遊ぶといった実体験の時間を大切にしていきましょう。

 

無理なく実践!スマホに頼りすぎないための工夫

スマホを使ってはいけない、完全に遠ざけなければならないと考えるとつらくなるかもしれません。まずは家庭での使い方を少し見直してみましょう。使う場面と時間を決めておくとスマホに頼る時間を減らしやすくなります。

  • 外出先でどうしても静かに待つ必要があるときだけ使う
  • 動画を見るなら時間を決め、短時間で終える
  • 食事中や寝る前は使わない

子どもがぐずったときは、子どもが何かを求めたり、気持ちを伝えようとしたりしているときです。すぐにスマホを見せると子どもは画面に気を取られますが、子どもの気持ちに目を向ける機会を逃してしまうことがあります。

まずは抱っこや声かけ、手遊びなどを試してみるのも一つの方法です。絵本や小さなおもちゃを持ち歩くことも気分転換に役立ちます。

子どものスマホ利用を見直す際は、保護者自身の使い方にも目を向けることが大切です。食事中や遊びの時間に大人が画面を見続けていると、子どもにとってスマホが当たり前のものになりやすくなります。

スマホで調べものをする、動画を視聴する場合は、時間を決めて使うなど、使い方をコントロールするようにしましょう。発達や病気について心配なことがある場合は、ネットの情報が正しいとは限らないため、かかりつけ医に相談することも大切です。