子育て支援制度は年々アップデートされていますが、実際に子育てをする親たちの生の実感は、今も変わらぬヒントに満ちています。2017年取材当時、パリ在住の日本人ママたちに聞いた声を紹介します。

 

Q.出産について、びっくりしたこと、そうなんだと思ったことは?

A.妊娠中のエコーや血液検査は、医師の処方箋をもらって町の診療所などで受けます。病院には3ヶ月に1回くらいしか行きませんが、パパが一緒に行く人がほとんど。妊娠中に8〜9回ある親学級にも、基本的にパパが一緒に参加します。

 

Q.退院後、どのようなサポートがありますか?

A.産後、助産師さんが自宅に来てくれました。帝王切開の医療用クリップも家でそのまま外してくれたのには驚きました。赤ちゃんの体重を測ったり、子育ての相談にも乗ってくれます。退院時にはピルが処方され、産後10回の骨盤底筋リハビリも受けられます。

 

Q.ミルクや離乳食で違いはありますか?

A.離乳食は日本のようにお粥からではなく、野菜のピュレから始めます。にんじんやブロッコリーを細かくゆでてすりつぶして与えるのが一般的です。

 

Q.学校について驚いたことは?

A満3歳になると全員、無料で公立の保育学校に入れるのはいいですね。.給食費は別料金で、給食を食べるか自宅に戻るかを選べます。昼休みはアニマトー・アニマトリスというお世話係が担当。学校行事はほとんどなく、親が学校に関わる機会は多くありません。

 

Q.子育てについての印象は?

A.パリは子育てしやすいと感じます。ママ同士のサークルのようなものはあまり聞きませんが、ベビーカーでバスに乗るときはさっとスペースを空けてくれたり、手伝ってくれたりします。でも「大丈夫」と言えば放っておいてくれる。冷たいわけではないけれど、適度にあっさりした距離感が、かえって子育てのしやすさにつながっているのかもしれません。

パパの育児参加を当たり前とする文化的土台の上に、より手厚い休暇制度と、質を重視した保育の仕組みが重ねられていく——これが、この8年間のフランスの子育て支援の歩みです。制度は変わっても、「家族に優しい社会」を目指す方向性そのものは、一貫して続いていると言えそうです。