2009/4/2

解雇の恐怖

日本、アメリカともに不景気と人員削減のニュースばかり。
アメリカではオバマ大統領が緊急景気刺激予算を盛り込み、景気を奮い立たせようとしていますが、大統領本人が言うとおり、先は長いようです。

私の働く部署(財団)は個人や企業からお金を募り、資産運営して奨学金に充てるのが主な役目です。去年の経済破綻以来、アメリカの金利はぐっと下がり、株価は元値割れして、財団の資産もあっという間に縮小してしまいました。担当会計士の采配を責めてもどうにもなることでもありません。とにかく、学生向けの奨学金もぎりぎりで捻出する中、上司(役員)と私二人の給料を出すことは難しくなりました。私たち二人の給料は半分が財団から残りが大学の負担で成り立っています。そこで上司が苦肉の策を大学に提案。上司は退職して嘱託に、大学が私の財団分を負担し、二人とも週に20時間働いて、その時間内で広報と財団の仕事をカバーすることになりました。

ところが、ここでまた追い討ちのような事態が発生しました。大学の来年度の予算が大幅に削られることになり、大学は来年度(7月)から講師、事務職を含めて9.5人分の人員削減をすることを発表したのです。サラリーで働く管理職たちは、今日が最終日です、と通知されれば受け止めるしかありませんが、時給で働く職員は組合に入っていて(強制加入)、大学側は解雇日の10週間前までに通知をしなければならない、という取り決めがあり心の準備はできます。ところが、組合員の中では年功制で、もし入社5年目の職員の仕事がカットされたら、その職員は入社5年未満の職員の仕事を奪い取る(?!)ことができるのです。私は仕事を始めてまもなく1年になろうかというところ。勤続年数の長い先輩の多い職場で、はじき出されるのは簡単です。
このご時世、私の勤める大学だけでなく、おそらくアメリカのたくさんの職場でこんなことが起こっているはず。そして、仕事を失う人が家庭の主所得者ならば、事態はもっと深刻です。

私はいったいどうなるんでしょう。こんなことを考えなければいけない状況になるなんて、1年前には思いもしなかったのに。


アメリカからのこそだて奮闘記


日本で大手企業の広報課長を務めているときに、アメリカ人の英会話教室の先生と結婚、渡米。日米の文化の違いに悩まされながら、子育てに奮闘中。

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