2004/6/3

ドラッグスクリーニング

「本当に初歩の仕事だけど、それでもやりますか?」
「もちろん、します。有難うございます!!」
「じゃあ、生年月日聞いてもいいわよね、いつ?それと社会保障番号も教えてください。」

アメリカでは応募時に生年月日を知らせる必要がないですし、企業がもし面接で年齢を聞いたら、問題になるそうです。人種や性別も任意で知らせる程度です。
生年月日と社会保障番号を聞かれた理由は、入社手続きのため。公的なことを進めるためには、この二つは不可欠です。

まず最初の手続きは、違法薬物を常用していないかの検査、ドラッグスクリーニングに行くこと。町にあるたったひとつの病院(奇しくも息子を出産した病院)に出かけ、専門の窓口を訪ねました。
まず、身分証明書の確認、雇用予定主に直接結果を報告することに同意するという書類などにサインをして、いよいよ検査。
検査技師と一緒に併設のトイレに入り、手を洗うと、技師はトイレの中に青い染料を流し込み、手洗い台の水の元栓まで止めてしまいました。そして、「尿を採ったら、できるだけ早く持って出てくるように」とのこと。
何だかわけがわからないながらも、指示に従いました。
技師は、採尿コップについた温度計を確認、恭しく別の容器に移し、シールで密閉した後、更に密閉のビニール袋に入れました。その一部始終を確認するのも、検査される側の義務です。尿は専門の検査会社に持って行かれるとのことでした。

検査が終わった後の技師の説明で、彼女がしたことに納得。身に覚えがあって、尿の代わりに便器の水や手洗い台のお湯を入れて、誤魔化す人がいるそうで、不正を防ぐための措置なのだそうです。コップに温度計がついているのは、本当に身体から出たものかどうか温度を見るためでした。
全国チェーンのハンバーガーショップを始め、この小さな町でも、多くの企業がドラッグスクリーニングを取り入れているそうです。
アメリカならではの検査ですね。

更に、勤め始めてわかったのですが、採用までの間に、無罪証明や運転事故歴の照会までされていました。前回の拘置所での指紋採りといい、日本ではあり得ない、いろんな経験をするものです。


アメリカからのこそだて奮闘記


日本で大手企業の広報課長を務めているときに、アメリカ人の英会話教室の先生と結婚、渡米。日米の文化の違いに悩まされながら、子育てに奮闘中。

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