2002/9/5

ID

アメリカに合法で住む人は全員、社会保障番号を持っています。
息子が生まれた時には病院が出生を郡に報告し、この番号を取得する手続きまでしてくれました。わたしのような永住権保持者も、海外からアメリカに駐在している人たちもこの番号なしでは生活ができません。

水道・電気を申し込む、自動車免許をとる、税金を納める、銀行で口座を開く、クレジットカードを作る、電話回線を設置する、健康保険に入る、病院にかかる、それに家を買う、借りる時など、あらゆる申し込み用紙に、この番号を記入する欄があります。
もともとは国の年金システムを管理するための番号だったのが、今となっては各個人の情報を管理するID番号となっているようです。あまり公にしないように、とカードの注意書きにありますが、いろんなところで聞かれるので、答えざるをえません。変な話ですよね。それに番号を聞き出す人も、仕事とは言え魔がさす可能性がないとは言えないし、コンピュータもどこまで信用できるのかしらと常々疑問に思ってはいるのですが、結局この番号がなければことが進まないので、信用して教えることになります。

自動車の免許証は、一番基本的で簡単な写真付IDです。車社会なので免許証を持たない人はまずいないし、IDだけが必要な人にも自動車免許試験所が作ってくれます。
先日この免許証の試験を受けに行ってきました。免許証は各州の発行になるので、他州から引越してきた場合は取り直しになるのです。この時、パスポートなど規定の身分証明書(もちろん社会保障番号証も!)を3つ持って行かなくてはいけませんでした。係員の確認作業の念の入っていたこと!不法移民者や身分詐称者のニセIDから「本物」を発行することを警戒しているのです。

実際に、ニセのIDや免許証を使って詐欺を働く事件は起きているし、個人情報がどれだけ守られているのか、という話題をメディアでよく聞きます。IDがなければ困るのですが、それを取得するためにそしてまた使うことによって、同時に自分の情報が公に出て行くのは、いつも居心地が悪いものです。


アメリカからのこそだて奮闘記


日本で大手企業の広報課長を務めているときに、アメリカ人の英会話教室の先生と結婚、渡米。日米の文化の違いに悩まされながら、子育てに奮闘中。

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