“いつもガミガミ”から開放!
怒りを記録する
怒りを感じたら、直後、もしくはその日のうちにノートや手帳にその時の出来事、思ったこと、怒りの強さなどを書き出してみましょう。怒りと冷静に向き合うことができ、自分はどんなことに怒りを感じやすいかがわかってきます。
「○○べき」を洗い出してみる
「遊んだオモチャは片づけるべき」「朝は自分で起きるべき」「子どもは9 時までに寝るべき」…など、あなた自身の価値観=「べき」を書き出し、それぞれの重要度を1から10までの数字で表してみましょう。どんなことにどれくらい怒りを感じやすいかが客観的にわかります。
「良かった」と感じることを書き出す
「天気が良くてお散歩が気持ちよかった」「夫がお茶を入れてくれた」「お気に入りのバッグを買えた」など、「よかった!」「幸せ!」と感じたことをノートや手帳に書き続けましょう。日々の当たり前のことに幸せを感じるようになり、イラッとすることが減ります。
怒りとうまく向き合うために、もうひとつ心がけておきたいことは、「怒ること」と「怒らないこと」の境界線を決めておくことです。たとえば「遊び終わったオモチャはすぐに片づけてほしい」とママが思っていて、すぐに片づけない時に注意しているという場合。自分の機嫌がいい時は、子どもが遊んだまま散らかしっぱなしにしたオモチャを「しょうがないわね」と笑顔で片づけるのに、機嫌が悪い時は「全くもう! いつもオモチャ出しっぱなしなんだから!」などとどなりつけたりしていませんか? 相手がした“同じこと”(この場合は「オモチャをすぐに片づけないこと」)に対して、その時の気分で怒ったり怒らなかったりしていると、自分が本当に子どもにして欲しいこと(この場合は「遊んだオモチャはすぐに片づけてほしいこと」)が伝わらなくなってしまいます。
気分によって怒ったり怒らなかったりを改善するためには、「遊んだオモチャはすぐに片づけるべき」といった自分の価値観=「べき」を、イラストのような三重丸に当てはめて考えてみることをおすすめします。許容ゾーンをひろげ、自分の中で「『ママといっしょに片づけよう』と言えば片づけるならOKにしよう」などという基準ができると頭の中が整理され、“いつもガミガミ”から解放されるのではないでしょうか。
叱るときは、「もう、いや!」「何やってるのよ!」などと感情をあらわにするのでなく、「玄関で脱いだ靴はすぐにそろえようね」など、相手にどうしてほしいかを具体的に伝えましょう。「あなたが約束を守ってくれなくて、ママは悲しいな」「私(ママ)はこう思うよ」など、自分の感情を素直に伝えることも大切です。
「怒り」は自然な感情です。ついカッとなってしまって「またやっちゃった……」と、自分を責めるのでなく、怒りの感情と上手に向き合いながら言葉のキャッチボールを重ね、家族の絆を深めていきましょう。
イラスト/犬塚円香 取材・文/長島ともこ