2006/3/9

Q:お気に入りをなくした時

◆投稿者:女性(女の子・2歳7カ月)

うちの娘は、「くまのぬいぐるみ」が大好きです。娘が生まれた時にプレゼントされたものなのですが、毎日一緒に遊んで、「くまさん」がないと寝ません。が、その「くまのぬいぐるみ」をなくしてしまいました。行楽地で車上荒らしにあい、盗られたバッグの中に「くまさん」が入っていたんです。

昨日の夜は、「くまちゃんいないよ」と家中を探し回り、泣きつかれて眠ってしまいました。今朝は6時くらいに起き出して、「くまちゃん迎えにいこう」と泣き、ぐずぐず言っています。一生懸命言い聞かせてなだめているのですが、「イヤイヤ期」 のせいか頑固なせいか、効果なしです。

お子さんがお気に入りをなくされた時、皆さんはどうやってなだめておられますか?体験談など聞かせていただけるとうれしいです。

A:一緒に悲しんでくれる人がいること

◆萩原 光(はぎはら こう)先生
萩原先生 小学校教師経験の後、自宅でシャローム共育相談室を開き、個別相談に応じる傍ら、講演会活動も。1999年にはホームページ「ぴっかりさんの子育て相談室」を開設。日本抱っこ法協会理事。著書は『心を抱きしめると子育てが変わる』(主婦の友社)ほか。2児の父。

悲しい、寂しい、苦しいというマイナス感情への対処のひとつの方法に、気を紛らすということがあります。例えば、「今度、遊園地に行こう」など別なことを示すと、「よし」と気持ちが切り替わるきっかけになるような場合です。

ただし、悲しみがとても大きい時は、気を紛らすことでは気持ちを切り替えられません。おとなの場合は「こうだからこう」と理性で考えて気持ちを切り替えようとするものですが、子どもの場合は感性が豊かで感情のパワーも大きいので、理性的に考えてコントロールすることが難しいのです。言葉で何と伝えても、あきらめきれないでしょう。

ビービーと泣き続けたり、グズグズ機嫌が悪く甘えたり……。そうすることで気持ちを吐き出すと、前に進むことができます。泣かないように心にフタをするよりも、お母さんに身を任せるなどリラックスした環境の中で、心ゆくまで泣いたほうが気持ちをリセットでき、悲しみを乗り越えることができます。

泣く時に、一緒に悲しんでくれる人がいるととても嬉しいもの。嬉しくてもっと泣けてきます。悲しさをしみじみと味わうことができると、悲しみを乗り越えるパワーが生まれてきます。人生の別れの悲しさは、悲しい時に悲しみを共有してくれる人がいること、切ない時に寄り添ってくれる人がいることのありがたさを、学ぶ機会になると思います。

人と人とが温かい心でつながれるように、この世の中に悲しい出来事があるのではないかと、私は思っています。