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日本の伝統文化に触れよう! おもてなしの心を知る茶道体験

日本の伝統文化に触れよう!

おもてなしの心を知る茶道体験

うれしい&楽しいと自分たちもおもてなしをしたくなる!

子どもたちはもてなされているばかりではありませんでした。お茶をいただくとき、先生が「器の柄を自分の方に向けて」と説明をすると「私はみんなに見えるように柄を向う側にしたい」と言い出しました。「おいしかったから、お母さんにも食べてもらいたい」という子まで。これはまさに「おもてなしの心」の芽生えです。

「それでは、みんなにもお茶をふるまってもらいましょうか」と、予定にはなかったお茶をたてる体験にまで発展しました。

ちょっとした変化にも敏感で、手にしたお箸が濡れていることにもすぐに気付きます。「お箸が濡れてるよ!」。すると先生が「これはね、招かれている人に気持ちよく過ごしてもらうように、きちんと洗っていますよ、とさり気なく伝えるために、わざとほんの少しだけ濡らしてあるのよ」と教えてくれました。作法をただの型として覚えようとすると敷居が高く感じられますが、子どもたちは体験の中で、自然に「なぜそうするのか」を知り、その作法の必要性を理解していくのですね。

日常生活でもきっと同じです。子どもたちは生活の中でも「これはどうしてこうなっているんだろう?」と、頭をフル回転。その問いに大人はつい「いいからこうしなさい」と見えることにばかり気を取られ、形ばかりを教え、「なぜなのか?」の理由まで子どもたちに伝えてあげられていないかもしれません。でも、「なぜ」の理由がわかると、子どもはすっとそれを習得できることもあるようです。親子時間を過ごすとき、頭の片隅に少しでもそのことをとめておくと、子どもとのコミュニケーションも変わってきそうです。
 
茶道をはじめとする和文化に触れることで、日本人が元来持っている相手を思いやり、自分で考える心を育む体験ができるかもしれません。今回の記事をヒントに、日常生活の中でのおもてなしの心について考えてみませんか。

子どもたちがいただいたおもてなしの心

靴をそろえる昔から日本では「靴をそろえると心もそろう」と考えられています。ひとつひとつの行動にけじめを付けることを重んじ、そうした習慣が身に付くと、心の乱れも整うということからです。椅子から立ったら椅子をそろえ、服を脱いだら片付ける。こうしたけじめの付け方が、生活のいたるところにあふれています。ささやかな行動ですが、これらを積み重ねていくと、成長して大きなことを成すときも、ひとつひとつけじめを付けながら自分の行動について考えられる癖が付きます。靴をそろえることは、簡単なようでいて、人間性までみられるような大切なこと。小さなうちからそうしたことを、生活の中でそっと教えてあげられるといいですね。

参加しました!

高橋愛香(あいか)ちゃん(5歳)&康代ママ
「茶器の柄をみんなに向けて飲んだらみんなに見えていいんじゃない?」など、子ども目線での発想が飛び出してきてとても驚きました。慣れない襖の開け閉めから教えてもらい、とてもよい体験でした。

 


田中麻莉菜ちゃん(5歳)&尚美ママ
初めての抹茶は苦くて一口しか飲めませんでしたが、自分がたてたお茶をおいしく飲んでもらえた事がうれしくてたまらなかった様子です。日本文化や相手を思うおもてなしの心の大切さを学ぶいい機会となりました。

小林咲絢(さあや)ちゃん(6歳)&友里ママ
数日経ってからもおもてなしの気持ちを思い出し、食器棚からグラスを取り、お水を入れて、どうぞ!と出してくれます。今回の体験から、おもてなし=よろこばれることと感じたようです。またしたいな~と言っています。

 


山下翼くん(6歳)&こずえママ
日本の春夏秋冬。相手を思いやり、謙遜するということ。五感を刺激するお菓子。ちょっと苦いお抹茶。すべてがすばらしい体験でした。これからを生きる子どもたちに是非とも身に付けてもらいたいお稽古事だと感じました。

撮影/長尾浩之 取材・文/山田治奈

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