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男女平等、人権を大事にする国 フィンランドの子育てに学ぼう!

男女平等、人権を大事にする

フィンランドの子育てに学ぼう!

子育てしやすい国として常に上位にあがるフィンランド。現在、日本でも取り入れ始めている「ネウボラ」という仕組みを70年以上前に国の制度としてスタートしています。子育てしやすい社会を作るためのヒントは、どこにあるのでしょうか。

男女が平等であることを重視してきた国

男女共同参画の先進国で、女性のほとんどがフルタイムで働くフィンランド。「男女格差ランキング2015」( 世界経済フォーラム※1)3位(2013 年と2014 年は2位)。フィンランドは独立以来、男女平等が国として特に重視されています。法律などの規定があり、フィンランド政府は男女平等の促進に取り組んでいます。
 
女性の参政権が認められたのは、日本では1945年。フィンランドでは世界で最も早く1906年に女性の参政権が認められました。フィンランドでの女性国会議員の割合は2015年には41・5% でした。
 
男女の平等は今までも強く進められてきましたが、現在では、文化的な相違、年齢、社会的地位、肉体・精神的な能力、宗教、性的指向性別の多様性などにおいても、被差別と人権を重視しています。

 

※1 男女平等の度合いを評価し、格差が少ないほど上位となる。

 

保育園の送り迎えをするパパの姿も多くみられます。

男女平等は、公的機関によって監視、施行されています

社会保障省のユニット
フィンランド政府の男女平等政策のために、準備と調整を行う。

平等のためのオンブズマン
社会保障省内の独立機関として、男女間の平等に関する法律の履行を監視する。

平等委員会
男女平等に関する法律の遵守を監視し、これらの法に関わる問題を討議、解決する独立委員会。

ジェンダー平等委員会
フィンランド政府が任命する議員が、議員在任中に就く委員会。社会における男女の平等を促進する。

男女平等情報センター(Minna)
男女平等に関する情報や研究を収集して、ジェンダー問題に関心のあるあらゆる人にサービスを提供。

フィンランドの教育制度

就学前教育、基礎教育は無償で受けることができ、義務教育課程(小学校、中学校)を9年間就学したあとは、職業学校、または高等学校に進学します。高等学校では、その後の進学に備えた教育全般が提供され、2~4年で修了することができます。最後に高等卒業資格認定試験を受けます。

無償教育

すべての子どもに就学前教育、基礎教育を無償で受ける権利があります。保育所と学校で、6歳児に就学前教育を提供しています。

教育・教材・給食を無償提供

7歳になると小学校に入学。教育・教材・給食は無償で提供されます。通学距離が5キロ以上の子どもは、交通機関を無料で利用できます。

PISAで上位のフィンランドの教育

3年ごとに実施されているPISA(学習到達度調査。15歳生徒を対象に、数学、科学、読解力の技能を評価)には、世界各国が注目しています。フィンランドの教育は経済協力開発機構(OECD)諸国の中でも上位にあり、特に読解力と科学の分野において高い結果を出しています。
 
この理由として、①国全体で全年齢層の子どもたちに与えられる基礎教育の質が、一貫して高いこと、②教師の質が高いこと、③近隣学校への通学が原則(通学する学校は、居住地に基づいて決定)とされていること、④機能の優れた質の高い図書館制度があることの4つのポイントが上げられています。
 
フィンランドでは1973年に保育園法ができ、全ての子どもたちに保育施設を用意することが自治体の義務になりました。1996年には法改正が行われ、母親の就労有無に関わらず誰もが保育園に入れる権利が子どもに与えられました。夜間保育や特別支援が必要な子どもにも、安くて良質なサービスを提供することが義務付けられています。

 

父親休業の取得率は8割。イクメンという言葉はない

「お母さんにやさしい国ランキング2013&2014」(※2 セーブ・ザ・チルドレン)で1位のフィンランド。子どもが生まれる家庭に無償で届けられる「育児パッケージ」が有名ですが、このほかにも様々な手当てや制度があります。
 
母親は通常約1年の出産・育児休暇を取りますが、母親と父親のどちらが休んでもかまわない「親休業」などの制度もあります。子どもが3歳になるまで在宅で子育てし、その後職場に復帰できる権利があります。
 
父親の子育て参加を促す「父親休業」の取得率は約8割にのぼります。男性が子育てすることが当然視されているため、イクメンと言う言葉はなく、父親として主体的に子育てしています。最近ではひとり親、再婚、事実婚などが増え、家族の形が多様化していますが、離婚や別居をしても、元パートナーと協力して親としての責任を果たすことが奨励されています。

 

※2 母子の健康や教育、女性の活躍や政治への参加などを総合的に評価したもの。

 

フィンランドの出産・子育て支援制度

(2016年3月現在。1ユーロ=約123円)

母親手当 育児パッケージまたは現金140ユーロの給付。

母親休業手当 金額は課税所得に基づいて決定。出産前から産休を取った場合は、そこから手当てを支払い、出産後も引き続き支給される。

育児手当 子どもの出生翌月から17歳未満全員に毎月支給。子ども1人あたりの最低支給金額は95.75ユーロ。子どもの数に基づいて決定。一人親の場合は、子ども1人につき48.55ユーロを加算。

母親休業 105勤務日分付与。出産30勤務日前から取ることが可能。自分の希望で開始日を選択する。

親休業 母親または父親は、母親休業後、親休業を158勤務日、取得可能。母親と父親は、1期間を12日以上とする最大2期間、親休業を交替で取得可能。

父親手当 父親は、父親休業中、父親手当てを54勤務日分、受給する権利がある。父親手当ての残額は、母親手当と親手当の給付期間後に受給可能。

父親休業 父親は母親が母親手当てを受給中でも、父親休業を1~18日勤務日、取得が可能。

家族で育児する権利 親は雇用を維持したまま、子どもが3歳になるまで無給休業を取得し、家族で育児する権利を保持。

取材協力・写真提供/フィンランド大使館 取材・文/高祖常子

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