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夏にかかりやすい病気とホームケア

「脱水に注意!」「肌を清潔に!」がポイント

夏にかかりやすい病気とホームケア

暑さが本格的になるこれからの時期、ウイルスや細菌による感染症、皮膚炎などに注意が必要です。夏場に子どもがかかりやすい病気の特徴とホームケアのポイントを、小児科医の川上一恵先生に教えていただきました。

川上一恵先生
かずえキッズクリニック(東京都渋谷区)院長。赤ちゃんや子どもの病気に向き合い、健康を回復させるだけでなく、お母さんが抱える子育ての悩みや不安に耳を傾け、相談に応じている。

乳幼児に多い夏風邪は口内炎やのどの痛みが特徴

子どもがかかりやすい夏風邪の代表、ヘルパンギーナは、突然39℃前後の高熱が出て、のどの奥に小さな水疱ができるのが特徴。のどや口内の痛みが強く、飲食が困難になりがちです。発熱は3~5日続いて、嘔吐する場合もあります。
 
咽頭結膜熱(プール熱)は、急な発熱(39℃前後)、のどの腫れに加えて、目やに、充血など結膜炎の症状が現れます。乳児の場合は、腹痛や下痢をともなうことも。高熱が出た時は、脱水や、熱性けいれんになるケースもあり、注意が必要です。

 

手足口病は、口の中、手のひらや足の裏、足の付け根などに水疱状の発疹がみられるのが特徴。発熱は37~38度程度と軽く、まったく熱が出ない場合もあるものの、頭痛や嘔吐が続き、髄膜炎を合併することがあるので、油断は禁物です。
 
いずれもウイルスに感染して起こる病気。治療は、症状を緩和する薬とホームケアで、自然に治っていくのを見守ります。


 

口内やのどの痛みがある時は食事を工夫し脱水に注意

口の中の発疹が痛むと、食べたり飲んだりできず、脱水症状を起こしやすくなります。のどを通るものを食べさせ、こまめに水分補給をしましょう。エアコンを上手に使って発汗を抑えたり、ぬるめのシャワーで体温を下げるようにするのも効果的です。症状を言葉で伝えられない子どもの場合、普段に比べて機嫌が悪くなったり、よだれが多く出ていたら、口の中に発疹があるかも知れません。発熱や他の症状がなくても、小児科医に診てもらいましょう。
 
ウイルス性の病気の場合は、飛沫や接触のほか、便を介して感染するものもあります。

症状があらわれていなくても、家族間でタオルの共有は避け、ママ自身がおむつ替えの後は充分に手を洗って、感染を広げないことが大切です。
 
暑くて食欲がないからと、冷たいものばかり飲食していると、体力や免疫力が落ちることがあります。朝夕など涼しい時間帯の外遊びや、バランスの良い食事など、日頃から丈夫な体づくりを心がけましょう。

子どもに多いとびひと水いぼ 早めの対応で感染を最小限に

肌が露出するこの時期は、皮膚疾患も多くなります。あせもや虫さされをかいたところに細菌がついて感染し、水疱ができるのがとびひ。かきむしった手で皮膚に触れると、全身あちこちへ水疱が広がります。異常がみられたら、すぐに皮膚科か小児科に受診しましょう。
 
細菌を退治する抗菌薬(塗り薬、飲み薬)、かゆみや炎症を抑える薬で治療します。爪を短く切る、ガーゼや絆創膏で水疱を被うなど、症状を広げない対策や、こまめなシャワーで皮膚を清潔に保つことがポイントです。

 

水いぼは、ウイルスが感染源で拡散する皮膚疾患。直径1~3ミリほどの白いいぼが、ひじやひざの内側、脇の下などにでき、かいてしまうとウィルスが広がります。
 
アトピー性皮膚炎や乾燥肌で、皮膚のバリア機能が低下していると悪化しやすいので、保湿剤による日頃のスキンケアが大切。発症から6カ月前後で免疫ができると自然治癒しますが、集団保育や、プールなどで治療が必要な場合は、医師に相談しましょう。

口内の痛みがある時の食べもの・飲みもの&ひと工夫!

固形物、熱いもの、塩分や酸味があるものは、発疹がしみて食べられません。プリンやゼリー、アイスクリームなど、冷たくて口当たりのソフトなものがおすすめ。

 

果物も固さや酸味があるとNG。バナナ、スイカなど、甘みのあるものを柔らかくすりつぶしましょう。

 

飲みものは、水、麦茶、ミルク、塩分の少ない冷製スープ、酸味のないジュースなどを、こまめに与えて水分補給を。

 

おっぱいや哺乳瓶でミルクが飲めない時は、スプーンにすくって口に含ませるのがコツ。

 

※この記事は2014年に取材、掲載されたものです。 
予防接種・ワクチンに関する最新の情報は http://www.know-vpd.jp/ でご確認ください。 

 

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イラスト/サカモトアキコ 取材・文/中野洋子

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