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あのママに逢いたい…… NOKKOさん

あのママに逢いたい……
NOKKOさん

元REBECCA(レベッカ)のボーカル。現在は子育てを生活の中心におきつつ、少しずつ音楽活動も再開。2011年自らの経験をモチーフにした「ゆうぐれなき」という歌が、ママたちの共感を集めています。

NOKKOさん
1984年レベッカのボーカルとしてデビュー。「フレンズ」などのヒット曲で広く知られる。91年のバンド解散後ソロに。2013年10月オリジナルアルバム、クリスマスアルバム発売予定。1女の母。

一緒にお昼寝をしていたとき、私が「恐い夢を見た」といったら、ハグして『よしよし』してくれたことも。
風邪や病気の時、熱のあるときにつらそうにしているときには、代ってあげたいと思います。
私にとって娘は、神様からの愛の贈り物。

 

子どもが授かったときはうれしさとともに、驚きに圧倒され

子どもが欲しいと、とても強く望んでいました。妊娠がわかったときは、うれしさでぼーっとしてしまいました。うれしかったと同時に、驚きに圧倒されていたように思います。
 
医師から妊娠を告げられた次の日の午後、私はゆっくり散歩をしていたんです。頭のなかでどーんと花火が上がるのを、下から静かに眺めているような感じがしました。これから私の人生の向かって行く先のことなど、昨日までの私と今日の私の置かれた立場があまりにも違うので、心の整理が必要でした。
 
そのとき、ノラネコが私の前を横切ったんです。茶色の雌ネコで、おなかがいかにも最近出産を終えたばかりといったふうに、ダラーンとのびていました。
 
そのネコを見たとき、私は『あ、私って、ほ乳類だったんだっけ』と思ったのです。何だか変なお話ですが、そのお母さんネコに『それ妊娠っていうの。私もたくさん産んだわよ』と言われたように感じました。
 
という訳で私の初めてのママ友はネコでした。「このママ友と地球という町内を分かち合って生きて行くんだなー。何とかなるでしょう」と、おおらかに覚悟した、私の妊娠スタートでした。

 

 

産まれたばかりの頃はずっと抱っこばかりで

出産は、住み慣れた東京で出産しました。年齢的にはハイリスクな妊婦だったのですが、驚かれるほど安産で肩すかしを食らったようでした。
 
初めて我が子を抱いたときは頼りなくてどうしよう、と思いましたが、曇りガラス に灯りが灯ったような桃色の娘の頬がもごもごと私のおっぱいを探しているので、吸わせてみました。おっぱいをあげる姿勢にまだ慣れなくて、猫背で居る事が辛かったです。

 

生後3カ月くらいまでは、私の抱っこが心地良いのか、置くと泣くので、ずーっと立ってゆらゆらして居るのが大変でした。

 

おんぶしたり、抱っこしたり、いつでもどこか体が触れていないと泣くので、料理を作るのも、食事をするのも、お風呂に入るのもトイレに行くのも全部一緒でした。後にそのことを「ゆうぐれなき」という曲にしました。

今から思えば、はじめての育児で神経質になっていたように思います。

風邪や、ばい菌などが心配で、それに加えて、いただいたお祝いのお礼の手配など、細かいところにストレスを感じていました。

 

でも、生後100日を過ぎる頃から、何だか、娘を守る神様やご先祖の霊のような不思議で大きな力が働いているような感じを持つようになりました。「何とかなるだろう」「私はそれについて行こう」と思えるようになりました。ほんとに不思議ですね。それもホルモンのせいなのだろうと思います。

娘が絵を描くかたわらで私が絵本を描くことも

海の近くに住んでいるので、気候の良い春や初夏、秋のお休みの日などに、砂浜を散歩するのはとても楽しいです。
 
娘とお絵かきもします。小さい頃から自然の絵を描く事も多くありました。海の潮目をリアルに早い時期から描く子だったので、子どもの目に毎日映る自然の景色がそのまま、絵に反映されているのだなと感心しました。娘が自主的に絵を描いている時には、私は横で娘のクーピーを拝借して絵本を描くこともあります。
 
最近では、お料理を手伝ってくれることもあり、助かります。手伝ってくれたときの方がよく食べてくれますね。
 
一緒にピアノを練習したり、歌もよく歌います。声が似ていてびっくりします。いつの間にか会話が音楽になっていて、ミュージカルみたいになることもあるんですよ(笑)。
 
夜は本を読むのが日課。年長の頃までにたくさんの絵本を読み聞かせたので、本棚はぎっしりです。今も大好きなのは「からすのパンやさん」や「バムとケロ」のシリーズなどです。最近は絵本にかわって、自分で読む本が増えつつあります。

 

子育てで心が豊かになり曲のアイディアが湧いてくる

学校から帰ってくると、育てている朝顔のことや、お友達との会話、運動会の練習のことや、先生の事など、本当にたくさん話して聞かせてくれます。
 
子育てで心がけていることは、「なぜ」 や「どうして」に、面倒でもなるべくよく説明解説すること。先日は「みゃくはくって、なあに?」と聞かれたので、ものすごく言葉に気をつけながら丁寧に答えました。私の脈拍もぐっと上がったと思います(笑)。
 
人生には思いっきり楽しむ時も大切と思っていますから、ホームパーティーをよく催します。娘のお友達とお母さんやお父さん、兄妹が来てくれます。夏は庭でプールをしたり、バーベキューをしたり、釣りをして釣果を料理して食べたりします。
 
仕事との両立で心がけているのは、時間のやりくり。娘が学校に行っている間に、歌を録音したり作曲したりします。そしてその合間に家事をするので、卵焼きと星空の歌が隣り合せのようになることもあります。でも、不思議と上手く行くところが面白いですね。
 
子育てしていると、暇はありませんが、心は豊かなので、曲や詩のアイデアがどんどん湧いてきます。子どもの成長を感じると、がんばってやって来て本当によかった、と思います。

 

取材・文/高祖常子 撮影/長尾浩之

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