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一人で悩まず、気軽にサポートを求めよう 子育ての悩みや不安を軽減するために

一人で悩まず、気軽にサポートを求めよう

子育ての悩みや不安を軽減するために

日々子どもと向きあっているママ。「何で?」「どうしたらいいの?」と一人思い悩むことや、「もう大変!」と叫びたくなるときもあるでしょう。子育てに不安や悩みはつきもの。自分だけで抱え込まず、気軽にサポートを求めることが大切です。子育て支援に詳しい石川洋子先生に、お話を伺いました。

石川洋子先生
文教大学教育学部心理教育課程教授。専門は保育学。女性の生涯という視点から見た、子育てや子育て支援のあり方をテーマに研究。著書は『子育て支援カウンセリング』(図書文化)ほか。

子育てはサポートが必要 ママ一人でできなくて当然

身近に両親や頼れる知り合いがないという環境で、子育てしているママは多いでしょう。食べる、寝る、おむつ替えなどのお世話をし、一緒に遊んだり本を読み聞かせたり、様々なことを教えしつけたり……。日々子どもに向き合うママは、本当に大変です。いつもご機嫌とは限らず、「かわいい、かわいい」だけでは済まないのが子ども。泣きやまない、食べない、言うことを聞かないなど、想い通りにならない状況に直面して悩むのが現実ではないでしょうか。

 

そもそも子育ては、肉体的にも精神的にもエネルギーを要する仕事。ママ一人で背負いきれなくて当然です。

かつて地域の繋がりが強かった時代は、隣近所で子どもを見守り、遊ばせ、面倒をみていました。社会の変化に伴い、今は子育ての役割と責任が親だけの肩にかかってきます。昔以上に負担が大きい子育てママに、援助の手は必要不可欠です。
 
何事も一生懸命なママは、常に100点満点を目指そうとしがちです。でも、子育てに関しては60点でOK。自分にも子どもにも“ゆるゆる”でいいんですよ。完璧を目指しても、どこかで息切れしてしまい、自己嫌悪に陥ったり、ストレスで心身の不調を招きかねません。
 
一番大事なのは、笑顔で子どもと向き合えること。心のゆとりを持ちながら、毎日楽しく子育てできるのが何よりです。がんばりすぎず「家事は手抜きでもよし」として、大変なときはサポートを求めましょう。ご近所のベテランママからアドバイスをもらったり、ママ友どうしで子どもを預けあえるなど、ゆるやかないくつかの関係を作れるといいですね。

公園や子育て支援の場で他の親子と関わりを持とう

身の回りのことがボタンひとつでできてしまう現代は、ネットや携帯での表面的なコミュニケーションが当たり前。そのせいか、相手の気持ちを察したり、心を通わせることが苦手で、人との関係をうまく築けないママも少なくありません。子育ての悩みがあっても、ネットで調べればすぐに情報が手に入り、ツイッターでつぶやけば誰かが答えてくれる。面と向かわなくても済んでしまう状況は、逆にママを“孤育て”に追い込んでしまっているとも言えるでしょう。
 
人づきあいが苦手だからと、親子で家に閉じこもるのはよくありません。子どもは飽きてしまって1日中グズグズと機嫌が悪く、ママもイライラ……という悪循環に陥りがち。気分を変えて、とにかく外へ出てみましょう。

子どもは戸外に連れ出せば、機嫌が良くなるもの。公園、児童館、子育て支援のひろばなど、親子が集まる場所へ足を運んでみましょう。同じ年齢の子どもを連れたママがいたら、気軽に声をかけてみましょう。お出かけスポットなどの情報交換ができたり、子育ての共通の悩みで話が合うかも知れません。いろんな親子がいますから、特定のママにこだわらず、いろいろなママと交流してみましょう。

 

保育園や幼稚園で、未就園児を遊ばせてくれる日を設けていることもあります。参加すると、近くの友だちに巡り会えるチャンスがあるかもしれません。また、先生が子どもたちに接する様子、言葉がけなど、参考になることも多いはず。ホームページを見たり、直接問い合せるなどして情報をチェックし、出かけてみましょう。

地域の子育て相談窓口

以下は、子育ての悩みや不安に応じ、必要があれば専門機関に繋いでくれる施設です。問い合わせ先がわからなければ、市区町村に電話しましょう。「保育園や幼稚園」、親子で過ごせる「子育てひろば」などでも、相談に応じているところがあります。「こんな小さなこと…」などと躊ちゅうちょ躇せず、気軽に相談しましょう。愚痴を聞いてもらうだけでも、気持ちが軽くなります。

1.児童相談所

各都道府県にある児童福祉の専門機関。子育ての悩み相談に応じたり、子ども虐待の通報を受けて対応します。
*児童相談所全国共通ダイヤル(24 時間受付。地域の児童相談所に転送)TEL. 189

2.子育て支援センター

子どもと子育て家庭における様々な相談に、電話、来所、訪問などで対応。一時保育やファミリーサポートの事業拠点としての機能を持つところも。近隣にセンターがない場合は、各自治体に育児相談の窓口が設けられています。

3.保健所

各自治体に存在する保健所(または保健センター)で、母親学級・両親学級、育児講座などを実施。保健師さんが、子どもの成長や健康面などの個別相談にも応じます。

4.助産院

全国の「子育て・女性健康支援センター」で、助産師に
よる電話相談を実施。妊娠・出産・子育てをはじめ、思
春期、更年期、不妊の悩みなど幅広く対応しています。
「日本助産師会ホームページ」
http://www.midwife.or.jp/general/supportcenter.html

取材・文/中野洋子

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