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ひとりで悩まないで!自分を責めないで! 私って「産後うつ」?

ひとりで悩まないで!自分を責めないで!

私って「産後うつ」?

「産後うつ」という言葉を聞くようになりました。そもそも産後うつとは、どのような症状を言うのでしょう? どのくらいの人がかかるものでしょう?
予防策や改善策も含めて、産婦人科医の宗田聡先生にアドバイスをいただきました。

宗田聡先生
パークサイド広尾レディスクリニック院長。身近なかかりつけ医として、妊娠中はもちろんのこと、妊娠前や出産後も女性の健康のために、ていねいでやさしい診療を行っている。著書は『産後うつ病ガイドブック』(南山堂、共訳)ほか。

約8割がマタニティ・ブルーズ 約1割が、産後うつに

産後、気持ちが落ち込んだり、体が重く感じたり、夜眠れなかったり……。そんな症状を感じたママも少なくないのではないでしょうか。出産直後、約8割の女性が、情緒が不安定になったり、「いつもの自分ではない気分」を経験していると言われています。
 
これは、「マタニティ・ブルーズ」と呼ばれ、心の病気というより、分娩によるホルモンの変動などによって一時的に気分の落ち込みがあわられること。治療は不要で、自然に回復するものです。
 
「産後うつ」は、産後1カ月以降で、気分が落ち込んだ状態が2週間以上続いた場合に疑われます。マタニティ・ブルーズと産後うつは、きっぱりと区別できるものではありません。産後、多くの人が体験するマタニティ・ブルーズの症状が重くなり、継続的になって産後うつになるケースもあります。また、産後1カ月くらいまでは明るく過ごしていたのに、産後1カ月以上過ぎてから急に気持
ちの落ち込みがひどくなる場合もあります。

 

 

一人でがんばり過ぎるママは、要注意

産後は赤ちゃんを生み出した体を元に戻している期間。また、ホルモンバランスも大きく変動していますから、体も心も不安定な時期です。産後すぐの時期にマタニティ・ブルーズになっていないからといって、産後1カ月になる前に動きすぎたり頑張りすぎると、その後、体や心の大きな落ち込みがくる場合もあります。産後1カ月程度は、体と心を休める時期と割り切って、ゆったりと過ごしましょう。
 
産後うつになりやすいのは、几帳面で、何でもきちんと自分でこなしたいタイプが多いよう。でも産後うつは、誰にでもなる可能性があるのです。思い通りの出産でなかった、早産だった、赤ちゃんが低出生体重児だった、妊娠・出産のできごとが要因になっている場合や、赤ちゃんのために仕事を断念した、パパや親族との育児などに関する意見の相違など、精神的なストレスが大きく起因している場合もあります。そのストレスは、自分で気づいている場合もありますが、無意識に感じている場合もあります。
 
育児の悩みや、思い通りにならないことを、自分で抱え込んでしまったり、自分を責める→悩んでいて、いろいろなことがはかどらない→心が不安定でイライラ→赤ちゃんにもやさしくできない→赤ちゃんがぐずる→自分の時間が持てない……と、悪循環に陥ってしまいます。
 
小さな赤ちゃんの慣れない世話をしながら、ママが一人で何でもこなすのは大変です。育児や家事に完璧を求めず、早めに周囲の助けを求めましょう。

早めの見立てと対応が早期回復につながる

妊娠前からうつ病などの既往症がある場合は、妊娠をきっかけに、症状としてあらわれることもありますが、これは出産による産後うつではなく、うつ病です。

うつ病の場合は、治療が長引くケースもありますが、出産をきっかけにしている産後うつの場合は、産後のセルフケアや周囲の対応、専門医の治療によって、よくなっていくことがほとんどです。このあたりの見立てを間違わないためにも、産後うつが疑われたら、早めに専門医に受診しましょう。

 

産後うつは精神的なものですから、専門医は、心療内科や精神科です。しかし、まだまだ「産後うつ」を専門にした治療を行ってくれる専門医が少ないのが現状。乳児を抱え、遠くの専門医に診てもらいに行くのは大変ですから、まずは、出産した産婦人科やかかりつけの内科で相談しましょう。症状によっては、専門医に紹介状を書いてくれる場合もあります。地域の助産師さんも産後うつの相談に乗ってくれますから、気軽に相談してみましょう。

パパはもちろん周囲のサポートが大切

産後うつになった場合、体がだるかったり、家事がはかどらなかったり……。そんな様子に、パパが「昼間、子どもとのんびり過ごしてるのに、何で疲れてるの?」と言ったり、実母から「昔は家事も育児も、もっと大変だったわよ」などの言葉を浴びせられてしまうことも。周囲の不理解と、何気ない言葉がプレッシャーとなって、さらにママを追いつめてしまうこともあります。
 
まずは、パパがママの一番の味方になること。ママの症状や気持ちを、聞き、受け止めてあげましょう。信頼できる相手(パパ)がきちんとママの話を聞いてあげることが、産後うつ改善の第一ステップにもなります。

 

早めに医師に診てもらうことを促したり、できれば一緒に病院に行って医師に話を聞いたり育児や家事は、可能なら一緒に行いましょう。
 
ただし、パパ一人で、何でも請け負わないこと。パパが家事も育児も仕事も引き受けては、今度はパパがバーンアウトしてしまい、うつになってしまう可能性もあります。産後うつは、急激に回復するものではありません。上手に気分転換しながら、ママの産後うつの回復につき合っていきましょう。

取材・文/高祖常子

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