福知山城

移住先としても考えたい!
合計特殊出生率2.02のまち、京都府福知山市に突撃取材!
「風通しのいい職員の関係が、市民との距離を縮めている」

合計特殊出生率2.02(2020年7月発表)は、本州3位。京都府内では1位の数値です。明智光秀のまちとして全国的に注目を集める中、子育てしやすい福知山市の魅力を、さまざまな角度から「こそだて」編集部が探ってきました!

提供:福知山市

職場、買い物、子どもの学校や保育所、すべてが近い!


福知山市 大橋一夫市長

「大切なふるさと福知山の10年後を考え、30年後を構想しながら愛するふるさとの未来に向かって邁進しなければならない」という強い思いで市政を運営している、福知山市の大橋一夫市長。
福知山市が合計特殊出生率2.02で、住みやすい街である要因は何かと伺うと、以下のような答えが返ってきました。
「地理的な要因が一番でしょうか。買い物や学校、医療(市立福知山市民病院)など、すべてが近くにまとまっている。平均通勤時間は18.3分(※)です。京阪神にも1時間半くらいで行き来できます。さらに、保育所なども市街地を中心に整備し、待機児童は0です」(大橋市長)

京阪神への働きやすい地理関係ではありますが、市内には長田野工業団地があり、働く場もあるとのこと。工業団地には約6000人が働いていますが、8割程度が市内在住とのことです。
「教育機関も福知山公立大学、高校6校、特別支援学校もあります。自然もあり、都会的なところもあり、ほどよく併せ持っているところが特徴です。住みやすさはできるだけ磨きをかけてやっていきたいですね」(大橋市長)

※総務省統計局「平成30年度住宅・土地統計調査」(持ち家世帯)

子どもの貧困対策など、各部署でシームレスに協議

「子どもの貧困対策については、経済的貧困だけではないので、各部署で協議しシームレスな体制づくりが必要と思っています。平成30年に「子育て総合相談窓口」を設置。相談者も増えました」(大橋市長)。

専門職を配置し、母子健康手帳受け取り時の面談や寄り添い支援なども手厚く行っています。
子育てに予算を多めにつけているのですか?と聞くと「お金の問題よりも、必要なところに予算を付ける。職員が汗をかいてくれている大事な事業を、市としてももっとPRしていかなくては」という大橋市長。現場のニーズや担当職員の現場感覚を大事にしているのだそうです。
福知山市の2020年度の標語は「レジリエンスなまちづくり」。「職員も、そして住んでいる市民にも挑戦心を持ってやって欲しい」と語る大橋市長。現場を支える職員を信じ、柔軟な政策を打ち出しているのが印象的です。

福知山市オフィシャルサイト
https://www.city.fukuchiyama.lg.jp/

 

妊娠中から18歳までの子どもと親を支える「子育て総合相談窓口」


18歳までの親子を支える子育て総合相談窓口

福知山市の子育て政策として特記すべきは、「子育て総合相談窓口」の設置ともいえるでしょう。すべてを統括するのが「子ども政策監」。その下に「保育園・幼稚園担当次長」と「子育て包括・児童館担当次長」が配置されています。「子育て包括・児童館担当次長」は児童福祉係、家庭支援係(児童館や子育て支援センターをまとめる)、母子保健係を取りまとめています。このすべてが連携して行っているのが「子育て総合相談窓口」です。社会福祉協議会に委託していたファミリーサポート事業も直営にして実施しています。

子ども政策室は平成30年に設置され、それまで別々だった部署が1つの「室」になりました。「それまでもお互いに、もっとこうしたらという連絡は取っていましたが、やはり1つの子ども政策室となったのは大きいですね。場がまとまることにより、部署を超えた連携が更にできるようになりました」

子育てについての相談を受けているケースでも、母子保健や幼稚園・保育園担当とも連携しながら、対象ケースを見立てたり、話し合いを行えたりがしやすくなったそうです。たとえば、子育ての事で相談を受けて、学校とも連携するなど。18歳までの子と親を支えるということで、高校回りも行い、学校との関係も近くなったそうです。

相談窓口では、LINEによる子育て相談も受け付けています。経験豊富な助産師、保健師、栄養士、社会福祉士、家計相談員などの専門職が対応し、福知山市に転入される方は転入前から利用できます。

地域子育て支援拠点「すくすくひろば」ほか、リアルにLINEでつながる

この日は双子ちゃんの会を実施、右が足立さん

福知山市中心部の子育て支援拠点として機能しているのが「すくすくひろば」です。NPO法人が運営しており、中心部に住む転入家庭の仲間づくりの場にもなっています。

この日は双子ちゃんの会。双子ママたちが安心して参加できるよう、ひろばがお休みの日に開催しているそうです。
「大阪から移住してきたママに、福知山に引っ越してきてよかったことを聞いてみました。医療費などが手厚いこと、子どもの発達や育児について気軽に相談できることとのことでした」(副理事長・足立喜代美さん)

福知山市には子育てコンシェルジュが3人おり、京都府の利用者支援事業の研修を修了した人がこの任にあたっています。足立さんはその中の1人です。専門的なことは、子ども政策室などとも連携して答えることもあるそうです。
「「LINEで子育て相談」は、夜に相談が入ってくることも多いです。離乳食の相談などは、動画を送ってもらうこともあるんですよ」と足立さん。
地元の福知山高校と毎年対面で行っていた「赤ちゃんふれあい学習」は、今年度のコロナ禍では、オンラインで開催するなど、さまざまな状況下でも工夫して、地域との連携も図っています。

すくすくひろば 
http://ohikaze.jp/

地域で立ち上げた「フリママ」、子育て中の親の居場所に

フリママのアーキテンポでの出店、西浜さん(左)と本田さん(右)

フリーマーケットのサークル「フリママ」を運営している西浜さんと本田さんにお話を伺いました。
「小6、小4、小1の3人の子どもがいます。福知山市に来て7年目になります。それまで転勤が何度かあり、福知山市に引っ越してきました。幼稚園の送り迎えでママたちと仲良くなったのですが、その縁をずっとつなげられたらと思ってフリーマーケットのサークルをスタートしました。フリーマーケットの店番をしているときにおしゃべりしたり、ここでやってるよーと伝えると、ふらっと立ち寄ってくれたり。ママたちの心地よい居場所になっていることがうれしかったです。
福知山市には、空き店舗を活用したレンタルスペース「アーキテンポ」というのがあるんですよ。ネーミングが、面白いですよね。アーキテンポで、フリマをやったこともあります」(西浜さん)

「小5、小4、年長さんの子どもがいます。子どもの病気のため、神戸の子ども病院に通う必要があり、また実家に近いので福知山市を選びました。西山さんと幼稚園の送迎で出会い、「フリママ」の活動を聞いて、友だち作りをしたいと思って参加しています。園のママ友とのつながりは、同じ人としか出会いにくいので、フリママの活動を通して、ママたちとゆっくり話せる環境があるのがいいですね」(本田さん)

他府県から来る人もいるという緑豊かな三段池公園、動物園

おすすめの遊び場所を聞いたところ「三段池公園」とのこと。「体育館や武道館もあり、小さな動物園もあってエサやりもできるんです。小さい子から遊べておすすめですよ」(西浜さん、本田さん)

移住希望者のニーズに応じた「福知山暮らし体感ツアー」も!

福知山市体感ツアーでは、観光地や地域の暮らしなどを体感できる場所を案内

福知山市の移住促進施策には、以下があります。

  • 移住定住サポートセンター(移住相談窓口)(平成28年〜)
  • 空き家バンク制度(平成21年〜)
  • 福知山暮らし体感ツアー(平成30年〜)
  • お試し住宅(平成28年〜)
  • 就農希望者の移住支援(平成30年〜)

コロナ禍が追い風にもなり、子育て世帯の移住希望者も増えているそうです。福知山市の移住促進施策の中でも一押しが福知山暮らし体感ツアーです。「福知山暮らし体感ツアーでは、福知山での暮らしをイメージしてもらうだけでなく、移住希望者と地域の人をつなぐことも重視しています。農業や子育てなど、それぞれの方の希望に合わせて、半日から1日のツアーの行程をアレンジしているんです。地域の人とつながることで、ツアー後の定住率も上がります。」(移住定住促進係 係長 寺田武史さん)
地元の情報をキャッチするために、福知山市の職員のみなさんが地域の集まりに参加するなどして、個人的なつながりを大切にしているとのこと。
「自治会費など地域によって異なるし、地域のお祭りや集まりごとなどもあります。移住後のイメージがわくように、「地域の教科書」というのを手作りしてお渡ししています」(寺田さん)


「地域の教科書」は、職員の方が、自治会長の協力を得て自治会ごとに手作りしている

「ワークステイというのもあります。福知山暮らし体感ツアーの期間を1週間とか、長くしたバージョンです。本市に滞在しながら農業体験をしていただいたり、地域の行事などに参加して頂く場合もあります」(寺田さん)

京都/丹波 福知山移住 FUKUFUKU LIFE(公式HP)
https://www.welcomeiju.city.fukuchiyama.lg.jp

FUKUFUKU LIFE 京都/丹波/福知山移住(公式Twitter)
https://mobile.twitter.com/FukufukuL

 

取材を終えて

とにかく、職員の方同士の雰囲気がよく、コミュニケーションが円滑であることが伝わってくる。そして、業務範囲に塀を立てず連携しながら、困りごとに寄り添う姿もうかがえた。とてもアットホームな福知山市。合計特殊出生率2.02の決定的な理由が見当たらないという話も聞いたが、たぶんそれはさまざまな連携によるものではないかと思う。福知山市、移住先としてもおすすめです。

取材・文/高祖常子(こそだて編集長、子育てアドバイザー)


大橋一夫市長と「こそだて」編集長の高祖常子