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過度な期待は禁物!?親子で「楽しむ」感覚で向き合おう  子どもの習い事をどう考える?

過度な期待は禁物!?親子で「楽しむ」感覚で向き合おう

子どもの習い事をどう考える?

春は、子どもの習い事をスタートさせるママパパも多いのではないでしょうか。「そもそも習い事って、何のためにするもの?」「始める場合、教室を選ぶ時はどんなことに注意したらいいの?」など、子どもの習い事についての親の心構えや関わり方について、共立女子大学准教授の西坂小百合先生に伺いました。

西坂小百合先生
共立女子大学家政学部児童学科准教授。博士(教育学)。臨床発達心理士。発達心理学、教育心理学を研究し、幼稚園教諭の職場環境の調査や保育の専門書の執筆を行う。2 児の母。

子どもの新たな一面を発見できる場と捉えてみる

子どもの習い事は、多くのママやパパの関心事のひとつ。わが子が習い事を始めると、「せっかく始めたからには上達してほしい」「子どもの将来に結びついてほしい」など、親はどうしても、その成果を期待してしまうものです。しかし、心身の発達途中である乳幼児期は、子どもの習い事に過度の期待や無理強いは禁物です。
 
親があまりに期待しすぎると、わが子のちょっとしたつまづきを受け入れられずにきつく叱ってしまったり、「こんなはずじゃなかった」などの気持ちを抱いたりして親自身が苦痛になるでしょう。

子どもも習い事への興味関心より、そんな親の姿を目にすることで自分への自信をなくし、萎縮してしまいます。子どもが習い事を始めたら、親は「上達しているか」の前に「子どもが習い事を“楽しい”と感じているか」という視点で見守りましょう。
 
子どもが取り組む姿を見ながら、「家ではおっとりしているけど意外と負けず嫌いのところがあるな」「こんなに集中力があったんだ」「周りのお友だちにすぐにとけ込めるのね」など、習い事を「子どもの新たな一面を発見できるチャンスの場」として捉えてみましょう。

子どもの社会性を育むという観点からの習い事選びを

好奇心旺盛な就学前の子どもは、毎日の生活の中で、自分の興味や関心から遊びを次々に見つけて過ごします。習い事という“時間で区切られた枠”の中で過ごすよりも、とことん外遊びしたり、家の中で自分のペースで過ごす時間から、発想が豊かになったり友だちとのコミュニケーション力を育んでいきます。親子で毎日楽しく快適に過ごせているのであれば、乳幼児期は「習い事をしない」という選択があってもいいと思います。
 
その上で、「子どもと一緒に外に出るきっかけづくりとして習い事を始めたい」「絵が好きだから、いろいろなものを使って思い切り描かせてあげたい」などの思いから、習い事を探すのはおすすめです。

習い事を選ぶ際の一番の視点は、子どもたちがいきいきと取り組んでいるかどうか。先生が威圧的にやらせていたり、ミスばかりを指摘するような習い事では、子どものいい部分が伸びていかないばかりか、自分に自信をなくしてしまいます。そのためにも見学や体験レッスンを利用し、雰囲気を肌で感じることも大切です。
 
例えばスポーツ教室の場合、そのスポーツだけでなく体を使う簡単な遊びも取り入れているか、あいさつなど礼儀にも力を入れているか、準備や片付けはどのようにさせているか……など、先生が指導する時に「何を大切にしているのか」を確認しましょう。教室が無理なく通える距離か、月謝は予算の範囲内か、子どもの生活リズムに組み込める時間帯かなども習い事選びのポイントになります。

遊びやリラックスの時間が取れているか確認

乳幼児期は、家族以外の大人や同年齢の子どもと接することを通して、子ども自身の社会性を育む時期でもあります。習い事の中身に加え、「子どもが楽しく通えそう」「親も無理なく関われそう」と思えるような、わが子に合う習い事を選びましょう。
 
注意したいのは、習い事の予定を詰め込みすぎること。幼児期は何も予定がなく、遊びや空想に没頭できるゆとりある時間が必要です。習い事は、区切られた時間の中で、一つの技能を伸ばすものですが、子どもが「こうしてみよう」と枠にとらわれず自分の興味をふくらませて、自分で遊びを作り出していくことができる遊び時間はとても大切です。習い事を始めても、生活リズムや体力、家での遊びの時間、リラックスする時間が十分取れているかを時折確認しましょう。

子どもの習い事、親の心得5カ条

子どもが「楽しい」と思える習い事を

過度な期待や無理強い、比較をしない

がんばりを認め、励ます

親子の共通の話題に

練習は、親も子も無理のない範囲で楽しく

イラスト/犬塚円香 取材・文/長島ともこ

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