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「子ども・子育て支援新制度」スタート どう変わる? 幼稚園・保育所選び

「子ども・子育て支援新制度」スタート どう変わる? 幼稚園・保育所選び

ニュースや新聞などで、「子ども・子育て支援新制度」という言葉を聞いたことはありますか? 2015年春からスタートするこの新制度により、子育て環境はどのように変わり、幼稚園や保育所選びはどのように考えたら良いのでしょうか。幼児教育学、保育学、子育て支援の専門家であり東京都墨田区で新制度の策定にも関わる大豆生田啓友先生に伺いました。

大豆生田啓友先生
玉川大学教育学部乳幼児発達学科教授。青山学院大学大学院文学研究科教育学専攻修了後、青山学院幼稚園教諭等を経て現職。専門は幼児教育学、保育学、子育て支援。2男1女の父。

子どもと子育てを社会全体で支えていく新しい制度

「子ども・子育て支援新制度」は、乳幼児期の教育や保育、地域の子育て支援の量の拡充や質の向上を進めていく事を目的につくられた法律。簡単にいうと、子育ての孤立化や働く母親の増加、少子化の進行など、昨今の子育てを取り巻く環境の大きな変化を受け、国が「子どもと子育てにまとまったお金をかけ、子育てを社会全体で支えていこう」という考えのもとでつくった制度。2014年の4月から、消費税が5%から8%にあがりましたが、この消費税増税の一部が新制度に使われ、最低でも7000億の財源が見込まれています。子どもや子育ての事に、これだけの財源が投じられるのはわが国では初めてで、日本のこれからの子育て環境を考える上で、非常に大事な制度だという事ができます。

 

保育の場を増やして待機児童を解消

新制度の主な目的は、3つあります。ひとつめは、幼稚園と保育所の良いところをひとつにし、保護者が働いている、いないにかかわらず利用できる「認定こども園」(くわしくは下記参照)の普及を進めること。ふたつめは、幼稚園、保育所、「認定ども園」に加え、少人数の子どもを保育する“地域型保育”活用して待機児童を解消すると共に、保育者の待遇を改善し、児教育や保育の質を高めていくこと。3つめは、一時預かりや学童保育など、身近な地域で受けられる子育て支援をさらに充実させていくことです。

 

多様な保育サービスを増やすだけでなくさまざまな子育て支も拡充するこの新制度は、子育て世帯すべてに影響が及ぶた、実施主体となる市区町村は、来春からのスタートに向け、準備を急ピッチで進めています。

 

自分たちの住む地域の子育て環境は、新制度の施行により具体的にどう変わるのか、市区町村の広報誌やホームページ、地域のフリーペーパー、利用者支援のサービス等で情報収集していきましょう。

「認定こども園」ってどんなところ?

新制度の目玉でもある「認定こども園」は、幼稚園と保育所の機能をあわせもった施設のこと。幼稚園教諭や保育士資格をもったスタッフが、子どもの教育、保育を行います。保育時間は保護者の働き方などにより、短時間(4時間程度)、長時間(8時間程度)どちらかを選ぶ事ができます。

 

「認定こども園」は平成18 年からスタートしていましたが、運営上のさまざまな問題により、あまり数が増えませんでした。新制度ではこれまでの問題点が改善され、現在の幼稚園や保育所が「認定こども園」へ移行していくこともあります。

 

認定こども園での生活

 

>> 幼稚園、保育所選び、申請方法はどう変わる?

イラスト/犬塚円香 取材・文/長島ともこ

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