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やっておきたい自然災害への備えと心構え

アウトドアの遊びから防災の知恵が身に付く

やっておきたい自然災害への備えと心構え

地震、ゲリラ豪雨、台風、洪水、竜巻など、自然災害が頻発している昨今。いつ我が身に起こらないとも限りません。赤ちゃんや幼児がいる家庭では、どんな備えをしたらいいのでしょう。親として、日頃から心がけておきたいことは?防災ファシリテーターのあんどうりすさんに教えていただきました。

あんどうりすさん
リスク対策.com名誉顧問。FM西東京防災パーソナリティ、兵庫県立大学大学院 減災復興政策研究科 博士課程。

 

災害から家族を守る対策は日常できることから

昨今は地震だけでなく、風水害も各地で起こっています。次は、同時に複合災害が起こるかもしれません。でも、最近は、“想定外”の天候に見舞われることが増えていて、あらゆる災害に対する備えが必要です。まずはできることから、始めてみましょう。

 

地震などの災害から自分の命を守るためには、一人ひとりが自ら取り組む「自助」が重要です。
自宅の安全性を高めるため、自宅の耐震化、家具の固定を最優先に進めましょう。

 

備蓄も、長持ちする食品を多めに用意しておきましょう。

また、万一に備え、いつでも避難できるよう準備しておきましょう。
地震では自宅の倒壊や火事、津波が起きるリスクがありますし、土砂災害は地震でも水害でも起こりえます。浸水害は、ハザードマップに特別な模様がある地域や、自宅にとどまることができない深さまで浸水する場合は必ず避難します。

 

いつどこで被災するかわからないので、日常使いの“子育てバッグ”を防災仕様にしておきましょう。子育てに役立つコンパクトなものと、防災に使うものを共用にすれば、カバンが重くなりません。

的確な判断と行動ができ知恵のある自分になろう

さまざまな防災グッズを用意しても、使用法を正しく理解していなければ意味がありません。例えば、防寒用シート(アルミ蒸着フィルム)は、体温の放射熱を利用して空気層に温かさを保つ原理。洋服が濡れた状態では、気化熱で体温が下がってしまいますから、シートを巻いても温かくなりません。その場合は、濡れたものを脱いでから使います。巻くと窒息の危険があることに注意してください。

 

暑さ寒さの対策は、水と風と空気をコントロールするのがポイント。「体に近いところに新聞紙を重ね(空気を蓄える)、一番外側に風を通さないビニールシートを持ってくる(風を防ぐ)」というように、その場にあるもので、空気と水と風対策をすれば対応できます。

自宅に防災グッズをそろえていても、いざという時、持っていなかったという事態もありえます。その時に役立つのは、知恵のある自分自身です。台風情報を見て、「子どもは逃げるのに時間がかかるから、早めに行動しよう」、長く揺れる地震は海溝で起こるケースが多いため、「津波が起こりやすいから、早く避難を開始しよう」などと、知識があれば自分で判断し、適切に動くことができます。
 
日頃から天気図を見たり、災害の基礎的なことをインプットしておきましょう。親が学ぶ姿勢をみせると、子どもも一緒に学びたがり、自然と理科が好きになるかもしれません。

親子で遊ぶアウトドアで楽しみながらプチ防災体験

親子一緒に自然の中で遊ぶことは、防災のプチ体験になり、同時に子どもの身体能力を高めます。海や川で遊ぶときに必須のライフジャケットの使い方、ひざより上に水がきたら簡単に流されやすいこと、沖に流される離岸流の場合は、「岸と水平に泳ぐ」という命を守る基本的スキルも教えられます。

でこぼこの川原で歩くことで、体のバランスの取り方、岩ですべったときの体勢の立て直し方を、子どもは身をもって体験することができます。いざという時、自分の力が信じられることは、生きぬく強さにつながります。親子で外遊びを心がけましょう。

撮影/福田依子 取材・文/中野洋子

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