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冬の病気と室内事故の予防と対策

日頃の心がけと環境づくりが子ども守る

冬の病気と室内事故の予防と対策

意外に多い家庭内での不慮の事故室内を安全に整えることが大切

年間を通して後を絶たない、乳幼児の不慮の事故。家庭内での事故が全体の7割を占めます。吐物による窒息、たばこや小さな物の誤飲、ピーナッツやあめ玉による気道異物、転落・転倒、熱い飲み物やアイロンによる熱傷(やけど)など、日常生活には危険が潜んでいます。
 
これらの事故が起こるのは、乳幼児の運動発達に伴う行動範囲の広がりです。

手を口に持っていくようになる生後4~7カ月頃、ハイハイやつかまり立ちが可能になる8カ月~1歳頃に増えてきます。誤飲は、体に無害なものも含めれば、すべての乳児が経験する可能性が高く、つねに「誤飲するもの」との認識が必要です。お子さんの手の届く場所や行動を予測して、日常を過ごす室内環境を整えることが、事故予防の大原則です。日本中毒情報センターHPの家庭内の危険ポイントも参考になります。

 

赤ちゃんが誤飲する可能性があれば隠して取り出せないように

赤ちゃんが口を開けた最大口径は39㎜とされ、これより小さい物は誤飲の恐れがあります。母子手帳の中の”チャイルド・マウス”や、トイレットペーパーの芯の中に入る物は飲み込む可能性が高いので、大きさをチェックしてみましょう。誤飲する物の約半数がタバコです。親が口にくわえている様子をみて、口に入れようとするのは当たり前。水分に溶けたニコチンを誤飲すると、より吸収されやすく中毒を起こす可能性が高くなります。空き缶などを灰皿代わりに使うのは危険です。
 
ボタン電池、おもちゃのパーツ、硬貨、化粧品、薬などは、手の届かない床から1m以上の高さに置くか、引出しに入れ開けられないような工夫をしてください。乳幼児の目線で室内を見まわし、誤飲の恐れがある物は、すべて取り除くことが一番の対策です。

 

また、毎年約50人が、食物などによる窒息で亡くなっています。誤飲しやすい物がのど・気管・気管支につまる気道異物です。救命できても呼吸困難による低酸素性脳症で重大な後遺症を残す可能性があります。3歳未満の乳幼児にはピーナッツなどの豆類、あめ玉を与えないようにしましょう。

誤飲以外の室内事故を防ぐ
ポイントは?

 

●窒息/柔らかくふかふかの布団は使わない、顔が塞がれる大きさの布やタオルを手の届く範囲に置かないようにしましょう。ナイロンやビニール袋なども危険です。

 

●お風呂の溺水/10cmの深さの水でも、赤ちゃんは溺れてしまいます。水を溜めたままにしないか、お風呂に鍵をかけて、浴室に入れないようにしましょう。親がシャンプーしている間の溺水事故もあります。浴室に一緒に入り、湯船に入れているときは、決して目を離さないことが大切です。

 

●熱傷/赤ちゃんは熱いことがわからず、無防備に触って事故になります。テーブル上にみそ汁、お茶などを置くときは、手の届かない位置に置く、テーブルクロスは使わない、抱っこしたまま珈琲などを飲まないなど、注意しましょう。ポットや炊飯器、加湿器は手の届かない高さへ移動を。また、電源コードに足を引っかけないように工夫しましょう。熱くて危ないことを教えることも大切です。

 

●転落・転倒/階段に柵を作り、滑り止めの工夫を。ベランダに踏み台になる物を置かないこと。お風呂の洗い場の床は、敷物を敷いて滑らないようにしましょう。

子どもの誤飲事故が起こった時の連絡先

たばこや医薬品、洗剤などを誤飲してしまい、どう対処していいかわからないときは、以下に電話で問い合わせましょう。誤飲したものの名称、飲んだ量、子どもの年齢、体重などを伝えると、対処方法などをアドバイスしてもらえます。

◎中毒110番一般専用電話(情報提供料:無料)
大阪 072-727-2499(365日24時間対応)
つくば 029-852-9999(365日 9:00~21:00)
◎たばこ誤飲事故専用電話
(情報提供料:無料、テープによる情報提供)
072-726-9922(365日24時間対応)

 

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イラスト/犬塚円香 取材・文/中野洋子

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