もくじに戻る

カテゴリー別もくじ

miku's select

バックナンバー

元気な赤ちゃんを産むために 妊娠中の適切な体重増加がポイント!

妊娠中の適切な体重増加がポイント!

元気な赤ちゃんを産むために

2500g未満の低体重で生まれる赤ちゃんが増えています。小さく生まれた赤ちゃんは、健康面でのリスクも大きくなりがちだと言われます。赤ちゃんがおなかの中で元気に育つためには、妊娠中、どのようなことを心がけたらいいのでしょうか?産婦人科医の鄭てい 智誠先生にお話をお聞きしました。

鄭 智誠先生
誠ウィメンズクリニック(東京都文京区)院長。最新の設備を完備し、質の高い医療を提供。妊娠中のことはもちろん、婦人科系のあらゆる悩みに応じている。

妊娠前やせ型の女性は赤ちゃんも低体重になりがち

2500グラム未満で生まれる「低出生体重児」は年々増加し、20年前の1.5倍にのぼっています。赤ちゃん側の原因としては、先天的な異常や病気があって充分に発育できないケース。一方、お母さんが高齢妊娠のために胎盤機能が低下していたり、妊娠後期に妊娠高血圧症を発症するなどの原因で、赤ちゃんに必要な栄養が行き届ないケースがあります。


もう一つの原因は、これから子どもを産む10代~30代の女性たちに、やせた体型の人が増えている点。妊娠前にやせていた女性は、もともと少食だったり、太りたくない志向が強く、妊娠中もなかなか体重が増加しません。当然、おなかの赤ちゃんに栄養が行き渡らず、発育が不十分になりがちです。

低体重で生まれると病気になるリスクが高い

低体重で生まれた赤ちゃんは、2500グラム以上の赤ちゃんと比較して、体力的にとても弱く、免疫力や抵抗力も低いため、病気にかかりやすくなります。大人になってからも、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病を発症する確率が高いことが、最近の研究で明らかになりました。 
 
つまり、胎児の頃の発育状態が、将来の健康にも影響を及ぼすということ。妊娠中も体型を気にして、食事を制限しようとする人がいますが、生まれてくる赤ちゃんの健康を願うなら、しっかり栄養を摂って適切に体重を増やすことが大切です。
 
妊娠前の体格によって、妊娠中の望ましい体重増加量が異なります。妊娠高血圧症候群などのリスクが高まるため、増え過ぎには注意し、体格に応じた体重増加に努めましょう。やせている人は高カロリーのもに頼らず、量より質を大事にしましょう。

妊婦健診で赤ちゃんの発育状態を確かめて

たんぱく質をきちんと摂取し、塩分、脂肪分、糖分は控えめにして、栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。カルシウム、葉酸、ビタミン類が不足した場合、適度にサプリメントで補うのも構いません。充分な睡眠、適度な運動も取り入れ、規則正しい毎日を送ることが心身を安定させ、赤ちゃんの発育を促します。

 

つわりで食べられないときは、あまり神経質にならず、食べられるものを適宜食べること。何か食べないと落ち着かない“食べづわり”の場合、つい甘いお菓子などを口にして一気に体重が増えると、別の病気の心配が伴いますので注意しましょう。

 

 

妊婦健診は、14回分を自治体が助成しています。ママと赤ちゃんの体調をチェックするためにも、妊婦健診を必ず受けましょう。

 

妊娠前の体格を表すBMI値を知ろう! BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

 

例) 身長160cm(1.6m)体重49.5kgの場合
  49.5kg÷1.6m÷1.6m=19.3がBMI値となる。

妊娠中の望ましい体重増加量は?

<体格区分別 妊娠全期間を通しての推奨体重増加量>

 

※低体重、ふつうの人は、妊娠中期~末期に1週間あたり0.3~0.5kgの体重増加が望ましい。


 

他の記事もチェック >> カテゴリー別目次

イラスト/サカモトアキコ 取材・文/中野洋子

  • <前へ
  • 1
  • >次へ

もくじに戻る

カテゴリー別もくじ

miku's select

バックナンバー