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赤ちゃんはなぜ「泣く」の?泣く理由を知って、上手に対応! お母さんのストレスも軽減!

泣く理由を知って、上手に対応! お母さんのストレスも軽減!

赤ちゃんはなぜ「泣く」の?

赤ちゃんは泣くものとわかっていても、泣き声に一日中向き合うお母さんは、 ほとほと疲れてしまうこともあるもの。そもそも赤ちゃんはなぜ泣くのでしょう? その意味を理解していると、対処もうまくできるようになります。 赤ちゃんが泣くことについて、産婦人科医の渡邉智子先生にお話を伺いました。

渡邉智子先生
産婦人科医師。丸山産婦人科医院(長野市)に勤務。3児の母。自身の出産経験から、より痛みが少なく安心して分娩できるソフロロジー式出産育児法を医院で採用。ファミリー学級を通して、お母さんに妊娠中の自己管理や赤ちゃんとのコミュニケーションの大切さを指導している。

空腹や不快感など生理的要求を泣き声で知らせている

出産直後から、赤ちゃんの泣き声に応えて、授乳やおむつ替えといったお世話に取り組むお母さん。育児の悩みを聞いていると「よく泣くので大変」という声が多く、赤ちゃんが泣くことはお母さんにとって精神的な負担になっているようです。  


生まれて間もない赤ちゃんにとって、泣くことは唯一のコミュニケーション手段。まだ言葉で表現ができませんから、おなかがすいた、おむつがぬれて気持ちが悪い、暑い、寒いなど、自分の生理的な要求を伝えるために泣いて知らせます。

 

新米のお母さんの場合、赤ちゃんが何を求めているのかよくわからず、安易に授乳することで対応しがちです。まわりの家族からも「おっぱいがたりんじゃないの?」と言われ、赤ちゃんに泣かれたくないという心理も働いて、お母さんは赤

ちゃんがちょっと泣くたびに、その口におっぱいをふくませてしまいます。赤ちゃんは口に触れれば条件反射的にお乳を飲みますから、体重は増える一方。でも、それを繰り返していると、赤ちゃんはおなかがすくという感覚を理解できませんし、「おなかがすいたら、泣いて知らせる」ことも学べません。


同様に、泣かせないよう早めにおむつを替えてしまうと、「気持ちが悪い→泣いて知らせる→替えてもらうとすっきりする」という学習ができません。それが当たり前になると、自分から意志や要求を表現しなくなってしまうのです。赤ちゃんが泣いて何かを要求した時点でニーズに応えてあげるのが、赤ちゃんのお世話の基本です。

甘えて「抱っこしてほしい」と心理的要求で泣くこともある

赤ちゃんは、不安だったり甘えたかったりして、だれかにかまってほしい、抱っこしてほしいという心理的な要求のあるときも泣いて表現します。赤ちゃんは、お母さんや家族とコミュニケーションをとりたくて泣くこともあるわけです。

 
ですから、赤ちゃんが泣くたびに関心を寄せてあげることは、とても大切です。「泣いて呼べばお母さんや家族のだれかが来て、あやしてくれる、やさしくしてくれる」というやりとりの積み重ねが、赤ちゃんにとって、お母さんや家族への愛着の形成につながり、コミュニケーションの基本を学ぶことになります。泣いたらまずそばに行って、「○○ちゃん、どうしたの?」「大丈夫よ」と声をかけてあげましょう。

どんな要求で泣いたのかは、いくつかの対応をしてあげるとあてはまり、ニーズが満たされれば赤ちゃんは自然に泣きやみます。お母さんの対応が上手になるほど、泣く頻度も少なくなってくるでしょう。  

 

そのように日々、対応を繰り返して経験を積むことでお母さんは、おむつが気持ち悪いんだなとか、今は甘えているんだなというように勘も働くようになり、泣いた赤ちゃんの対応が上手にできるようになっていきます。一方の赤ちゃんも、対応してもらえることで「泣いて知らせる」ことを習得します。「赤ちゃんが泣く」というコミュニケーションを通してお互いに学びながら、いい親子関係を築いていきましょう。

赤ちゃんが泣く理由と対処法 お母さんのイライラが影響することもあります。リラックスを心がけて、対応しましょう。

 

イラスト/サカモトアキコ  取材・文/中野洋子

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