パパ薬剤師の子どもの薬基礎講座

2011/04/14

整腸剤って下痢止めじゃないの?

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こんにちは!パパ薬剤師の中村守男です。 僕は「赤ちゃんのうんちと薬」というテーマで、ママパパ向けの講座を行う事があるのですが、その中で「整腸剤って下痢止めの一つじゃないんですか?」という質問を受ける事があります。確かに間違いではありませんが、その答えは50点です。正しく言うなら「整腸剤とは、腸内環境を整えて下痢や便秘などの症を緩和させる薬」となります。小さいお子さんでも小児科から処方されることの多い「整腸剤」。今回はその「整腸剤」について。


◆整腸剤って何?
人間のお腹の中には100種類以上の腸内細菌が存在すると言われており、100兆個以上の「善玉菌」や「悪玉菌」が棲みついていると言われています。また、善玉菌や悪玉菌の他にも「どちらとも言えない菌」もあり、それらが絶えず死滅を繰り返しながらバランスを取っているのですが、その「善玉菌」と言われる種類の腸内細菌を体内に補う薬が「整腸剤」と言われています。


◆整腸剤にはどんな効果があるの?
腸内細菌自体には、消化吸収の補助・ホルモンの生産・ビタミンの合成・免疫力向上などいろいろとその作用があると言われています。小児科から処方される目的は「おなかの調子を整える」ことであり、具体的には「便秘の時はたまったうんちを出しやすくする」「下痢の時は水っぽいうんちを出しにくくする」と考えてもらえば分かりやすいと思います。
また小さいお子さまの場合、下痢の時にばかり処方される事が多い整腸剤なので、どうしても「下痢止め」のイメージが強いようです。実際に小児医療の現場でも「うちの子は下痢じゃないのに整腸剤が出ているのはなぜですか?」という質問を受ける事がありますが、話を聞くと「1週間ほど便秘で、病院で先生に診察してもらい出してもらいました…!」と返事があったりします。


◆抗生物質とセットで処方される事があるのですが…?
小さいお子さんには、中耳炎や溶連菌など細菌が原因の感染症にかかった時に「抗生物質」が処方される事があります。その抗生物質とセットで整腸剤が処方されている事に気づいた方もいるかも知れません。それは一体何故なのでしょう?
抗生物質の目的は体に悪さをしている細菌を退治する事。しかし、目的の細菌だけに作用するのではなく、もともと腸内に存在する「善玉菌」にまで作用してしまう事があります。その善玉菌がやられてしまうと腸内細菌バランスが崩れてしまい「下痢」の症状を引き起こす事があるのです。そのバランスを取り戻すために抗生物質とセットで整腸剤が処方されるという仕組みなのです。
また、この「抗生物質による下痢」は、お子さまによって大きく個人差があります。どんな種類の抗生物質でも下痢になってしまう子もいれば、特定の抗生物質だけ反応する子もいます。中には全く問題のないお子さんがいるのも事実です。


「整腸剤」…それは、何となく分かっているようで分かりにくい薬です。ただ単語だけ「セイチョウザイ!」と覚えているお子さんもいるぐらい小児科では有名な薬です。いつかお子さんから「ママ、セイチョウザイってなに?」と聞かれた時に、あなたがしっかり答えられますように(笑)


パパ薬剤師 中村守男(メディカルパパ)

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