パパ薬剤師の子どもの薬基礎講座

2010/07/29

ウィルスと細菌、抗生物質が効くのはどっち?

こんにちは!メディカルパパです。

前回「特効薬がない!?3つの夏風邪」について書いたところ、「ウイルスと細菌の違いがわからないので教えて欲しい。」や「かかりつけの小児科は風邪でも抗生物質が出るけどなんで?」など、抗生物質に関する質問がありました。
そこで、今回は「ウイルスと細菌、抗生物質が効くのはどっち?」と題して、抗生物質抗ウイルス薬に関わる話を書きたいと思います。


写真


◆ウイルスと細菌は全く別の微生物


「子どもの感染症」の原因は大きく分けて2つの微生物によって起こります。
1.ウイルス…インフルエンザ・はしか・おたふく・水ぼうそうなど
2.細菌…百日咳・結核・破傷風・溶連菌感染症・大腸菌O-157など
※おむつかぶれなどの原因には「真菌」と呼ばれる微生物もあります。


◆ウイルスと細菌は使う薬が全く違う


子どもの風邪と聞けば「抗生物質を飲む」と想像しがちですが、これは全くの誤解です。かかった感染症の原因がウイルスの場合には「抗ウイルス薬」、細菌の場合には「抗生物質」と、原因の微生物によって使い分けます。
1.抗ウイルス薬…インフルエンザ、水ぼうそうなど数種類しかありません。
2.抗生物質…様々な細菌に対応して、数十種類の抗生物質が存在します。
また、一般的に「子どもの風邪」とは「ウイルス」による感染が多いと言われています。
つまり、ウイルスによる風邪に「抗生物質」は効果がないという事ですね!


◆小児科の先生によって「抗生物質」の使い方が違うのはなぜ?


ここまでの話を読むと、子どもの風邪はウイルスが原因である事が多いのに、なぜ小児科医が抗生物質を処方する事があるのか?…と、疑問が浮かぶと思います。
確かに、最近の医療の流れとしては「むやみに抗生物質を乱用しないほうがよい」となりつつありますが、親御さんの中には「抗生物質が出ていると安心」という方がいるのも事実。
また、小児科医の方も「検査の結果で細菌が原因であると判ってから抗生物質を処方する」「自分の経験により細菌が原因だと診断して抗生物質を処方する」「もし、細菌だったら大変だから念のために抗生物質を処方する」「親御さんに安心してもらう為に抗生物質処方する」…と、抗生物質を処方する理由は様々です。


◆保護者として考えるべきポイント


では、親としてはどう対応するべきか?答えは非常にシンプルで「自分の考えに合う医師に診てもらう」です。そして、できる事なら「しっかり自分の考えを伝え、医師の考えを聞く」というコミュニケーションが大切なのです。忙しそうにしている医師に質問するのはなかなか難しいと思いますが、疑問に思うことは聞いた方が確実に安心できると思います。
そして、最も大切な事は「勝手な判断をしない」ということ。特に友人同士の口コミやネットでの助言ほど危険なものはないと思います。親の勝手な判断で処方された抗生物質を途中で止めた事により、何度も同じ感染症を繰り返す可能性だってあるのです。


いかがだったでしょうか?「ウイルスと細菌、抗生物質が効くのはどっち?」というタイトルから小児科医との関わり方まで書いてしまいました(^^;)。しかし、僕がパパ薬剤師として保護者の方から受ける「抗生物質の質問」の裏には、医師と保護者とのコミュニケーション不足を感じる事が多いのです。
実際に薬局などで「こんなに抗生物質飲んで大丈夫ですか?」と聞かれる事がありますが、薬剤師は診断ができないので「抗生物質は最後まで飲んでください」としか言えません。だからこそ、保護者の方もある程度の知識を持っていただき、小児科医とコミュニケーションが取れる事が「子育ての安心」につながる事だと、知って欲しいと思っています。

では、次回もお楽しみに!


パパ薬剤師 中村守男(メディカルパパ)

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