2007/12/27

冬の始まりの嵐〜緊急事態宣言

停電が続く中、幸いガスと水道は通常通り使えました。我が家は給湯器と暖炉がガス供給式で、暖かいお湯が使え、暖炉で暖を取ることができたのはとても幸運でした。電気式の給湯器を持っていたり、またガス暖房でも電気のファンが回らないと暖房が作動しない家は、凍える夜を送らざるを得ません。夫と私はキャンプ用のコンロ、卓上コンロ、それに屋外のバーベキューを駆使して、食事やお湯をご近所に届けました。冷蔵庫のものがそろそろ駄目になりそうな頃には、違うご近所から「息子が5時間かけて仕入れてきたからお裾分け」と、大きな氷の袋を頂戴し、凌ぐことができました。お世話になった方に直接返せなくても、違う形で他の方を手伝うことができる、まさに「Pay it forward」そのものですね。

子供たちは、電気がない状況を不思議なくらい上手に受け止め、懐中電灯とキャンプ用のカンテラを使う生活に慣れていました。夜はキャンドルを灯してゲームやトランプをしたり、夫の朗読に耳を傾けました。我が家ではだんだん大きくなっていく洗濯物の山を見てあせる私が、一番困っていたのかもしれません。

道路がまだ閉鎖している中を、州内の至るところから300人もの技師がこの地域にやってきたのだそうです。彼らのおかげで停電は1週間で終わり、学校も一週間後に再開しました。

また、その頃にはアメリカ連邦緊急事態管理局(FEMA)が視察に入り、今回の嵐に「非常事態宣言」を出しました。樹木の多いこの地域では、敷地内に大木を構える家が多く、それが家や車に倒れて倒壊してしまったり、窓ガラスが割れて大きな被害を被った人が数え切れないほどいます。宣言が出されたことによって、嵐に関わる様々な被害に対して連邦政府の補助が受けられるそうで、被害を受けた方々にとっては、少し安心できる措置です。

ハリケーンカトリーナの被害を思うと、私たちが経験した嵐は比べ物にならないくらいのものかもしれませんが、冬の始まりの嵐で、普段あるものがないことの不便さをしっかりと考えさせられた一週間でした。

ウインドウや屋根などの補修が続くダウンタウンにも、クリスマスの装飾が施されました。新しい年がやってきます。

2008年が皆様にとって、健康で平和で素晴らしい年となりますように。

アメリカからのこそだて奮闘記


日本で大手企業の広報課長を務めているときに、アメリカ人の英会話教室の先生と結婚、渡米。日米の文化の違いに悩まされながら、子育てに奮闘中。

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