2007/1/25

卒業プロジェクト

土曜日の午後、高校生のようなふたり連れが玄関をノックしました。
出て行った夫が長々と話しています。何階建てか、借家か持ち家か、煙感知器の有無と数、などセールスのような会話です。最後に夫が「じゃ、お願いします」。
「ええっ?何をお願いするの??何のセールスなの?」

訪問販売と思ったそれは、実は高校生の卒業プロジェクトで、火災防止のために家庭に煙探知器を設置しようという活動でした。市内を一軒ずつ訪問してアンケートをとり、地元の消防士に依頼して、煙感知器を設置するというものです。煙感知器は、地元のスーパーから大量の寄付を取り付けたそうです。

今年は、嵐で市内でも数日間に渡る停電が起こった地域があります。その時、暖をとるために室内でバーベキューをたき、一家全員が一酸化中毒を起こして亡くなるという悲惨な事件がありました。
そんな残念なニュースのあとに出会った素晴らしいアイデアに感動して、早速、地元の高校に電話を入れてみました。卒業プロジェクト(シニアプロジェクト)は、高校4年生(シニア)が卒業年に20時間の地域社会への奉仕活動をする授業で、各個人がプロジェクトの立案から結果リポートまでまとめて、単位を獲得することになっているそうです。
煙感知器設置運動のほかにも、例えばお年寄りの家の庭掃除もプロジェクトになるとか。学校や家の外に出て、実社会を知る、社会のためになることをする。授業とテストで卒業をした私の高校生活とは大違いです。

我が家の1階と2階(ロフト)は真新しい煙感知器が取り付けられました。気のせいでしょうけれど、消防士に取り付けてもらったということで、安心感が増します。その消防士に作業代として小額の寄付を申し入れましたが、これは高校生のプロジェクトへのボランティアだからと断られてしまいました。

さて、このプロジェクトで喜んだのは夫と私だけではありません。我が家の前に横付けになった消防自動車に、次男は大興奮。
ありがたく、楽しい土曜日となりました。


アメリカからのこそだて奮闘記


日本で大手企業の広報課長を務めているときに、アメリカ人の英会話教室の先生と結婚、渡米。日米の文化の違いに悩まされながら、子育てに奮闘中。

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