2005/1/7

壮大な計画

クリスマス直前に、友人家族が訪ねてきました。
パキスタン出身のご主人とアメリカ出身の奥さん、そして2歳の女の子の家族です。二人は日本で知り合い、アメリカで結婚しました。今年から数年間、日本で生活するので、その前に1ヶ月半をかけて、アメリカ内の友人を訪ねる旅をしているその途中で、我が家にも立ち寄ってくれたのです。

ご主人はテロ事件で向かい風を受けながらも、エスプレッソキオスクの商売を成功させた働き者です。去年アメリカに帰化しました。奥さんは、大学で留学生のコーディネイターをしながら、乳がんを克服し、出産。今回日本に戻り、子供に日本の生活を体験させるのと同時に、二人で働くことによって、貯金をしたいのだそうです。

彼女の心配は、ご主人と娘に対する「偏見」です。日本は人種に対する偏見が少なくなってきたとは言え、アメリカに比べるとまだまだ閉鎖的でしょう。いわゆる白人の彼女は、どちらかというと持てはやされても、ご主人と娘は辛い思いをすることがあるのではないかと心配しているのです。また、彼女たちの家庭環境のもとで、娘に本当の友人ができるのかどうかも気がかりの様子です。

夫と私も日本で暮らすことを話したことがあります。おそらく日本のほうが安全で、子供たちにとっては良いのではないか、いやいやアメリカの個性を尊重する風潮の方が後々良いのではないかなどとそれぞれ納得できる意見がでます。結局、夫が現在の仕事を離れることは考えられず、日本暮らしの話は終わってしまうのですが。

彼女たちの計画は日本だけで終わらず、その後兄弟のいるイギリス、パキスタンでもそれぞれ数年ずつ過ごす壮大なものです。私だったら、途中で挫折してしまいそうです。
「うまく行かなかったら、アメリカに帰って来るわ」と、笑顔で次の旅の目的地に旅立ったこの家族に、「頑張れ!」と声援を送りました。


アメリカからのこそだて奮闘記


日本で大手企業の広報課長を務めているときに、アメリカ人の英会話教室の先生と結婚、渡米。日米の文化の違いに悩まされながら、子育てに奮闘中。

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