2003/6/5

車のトラブル

アメリカには車検制度がなく、自己責任で車の管理をしなくてはいけません。

メーカーは、走行距離毎の定期チェックを勧めてはいますが、義務ではないので、壊れかけて爆音を出していたり、ボンネットカバーがなかったり、窓ガラスがないまま走っている車もあります。メーカーの技術料が高い上に、"Do it yourself"の好きな国だけあって、家の前で車をジャッキアップして、修理している人もよく見かけます。
もちろん野放しというわけではなく、車検はなくても、車は役所に登録して税金を払い、保険に加入しておかなくては違反になります。

大都市は別として、一般的に公共のバスや電車が少なく、毎日の生活で車は必需品です。免許取得の年齢もぐっと低く、早ければ16歳(!)から条件付の免許を取ることができるので、車の数を見れば、何人の大人が住んでいるかわかると言われるほどです。

そんな中、我が家は珍しく車一台の家庭。2年前まで乗っていた車は、走行距離が15万キロを越えた12年ものでした。チェックを怠っていたわけではありませんが、こう古くてはあちこちに予想できない故障が出てくるもの。ある日、わたしの運転中に、家まで数ブロックのところで車が突然止まりました。集まってきた近所の野次馬おじさん達の検分も空しく、牽引されて修理工場に。タイミングベルトが切れたのだそうです。その2ヵ月後には、引越しの途中でしかも高速道路で車が止まりました。携帯電話はなし。夫がその場を離れるのは安全ではないので、車を路肩に止めて、ハイウエイパトロール(警察)が通るのを待つことにしました。しばらくして止まってくれた乗用車の運転手は、ちょっと怖そうなタイプ。ボンネットの中を覗いたあと、次の町で牽引車を手配しておくから、と言って去って行きました。彼の言葉を信じること30分。牽引車を見たときの安堵感は今でも覚えています。牽引車に乗った息子の興奮は別として、修理後は恐る恐る10時間のドライブに戻りました。
どちらも事故につながらずに幸運でした。わたし達は、故障が続き次はいつどこが壊れるかわからない状態に怖くなり、引越してすぐに車を買い替えたのでした。

高速道路での恐怖と情けない思い。この経験をしてから、今でも高速道路の路肩に止まっている車を見ると他人事には思えません。


アメリカからのこそだて奮闘記


日本で大手企業の広報課長を務めているときに、アメリカ人の英会話教室の先生と結婚、渡米。日米の文化の違いに悩まされながら、子育てに奮闘中。

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