2003/4/30

制服

アメリカでは日本のように「制服」をあまり見かけません。
デパート、銀行も制服はないし、市役所や図書館で事務服を着ている人なんていません。学校では、生徒ももちろん教師も自分の好み。逆に制服があるのは、航空会社、消防、警察、郵便局、宅配会社、それに軍関係くらいなものでしょうか。
学校の生徒たちには、もちろん服装基準があります。おそらくどの学校でも、肌があまりに露出したり、卑猥な言葉が印刷されたシャツは基準外。でもピアスや指輪は大丈夫ですし、中学生でもばっちり化粧をしている子もいます。ある公立高校では服装基準に沿っているかどうかをチェックするのが、セクハラにつながるという問題になりました。若者に人気の有名ブランドの制服ファッションショーをする、という話にまで発展しましたが、その後、制服を取り入れたという話は聞きません。様々な家庭環境からやってくる子供たちに制服を強要するのは、文化的にも金銭的にも難しいのかもしれません。

警察官や消防士の制服は、ある意味では特殊ですよね。
うちの息子は、パトカーや消防車が大好きで、見かけると立ち止まって見つめています。彼にとって、警察官や消防士はヒーローです。ある日、息子の視線に気づいた警察官がわざわざ車を止めて、こちらにやってきました。そして、その警察官は息子と同じ視線の高さまでひざまづき身体を丸め、「パトロールをよろしく!」と言って「ジュニア警察官」と印刷されたシールとバッジを手渡したのです。もちろん息子は飛び上がって大喜びでした。

また消防士は、町の小さなイベントにも参加して、マスク、酸素ボンベを装着し、まるで宇宙飛行士のようなユニフォームを子供たちの前で披露してくれます。
どちらも緊急時に備えて、子供たちが彼らの制服に馴染んでいてほしいということだと思います。

夫の父母が日本を訪れた際、小学生が制服にランドセルを背負っている姿がみんな一緒に見えて、とてもかわいかった、と言っていました。逆に、人と違うのはいけない、と教育されたわたしにとっては、こちらの生徒の個性ある服装がまぶしく映ります。


アメリカからのこそだて奮闘記


日本で大手企業の広報課長を務めているときに、アメリカ人の英会話教室の先生と結婚、渡米。日米の文化の違いに悩まされながら、子育てに奮闘中。

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