2001/5/07更新
今日のエッセイ
バーベキュー、人気の秘密

僕が子どもの頃の、洋食のご馳走といえば、テキにカツだった。
まるで戦時中のフレーズを引きずっているかのようなメニューだが、
とにかく、ステーキとトンカツは、子どもの頃の肉料理の東西の横綱だった。

一方で、今で言うところのアウトドアの食事というのか、
調理といえば、 焼き芋と、七輪で焼く料理くらいであった。
バーベキューもなくはなかったが、高級料理の位置づけで、
最近のように、バーベキュー=屋外と言う図式ではなかった。
それはもっと特別な、ステーキに並ぶ食べ物だった。
しかも、子供の頃のバーベキューとは、けして家で食べられる物ではなく、
高級レストランの、金の串に大きな肉や野菜が刺してあって、
それを炭焼きにしたもののことだった。
大抵は、その脇にカリっと揚げられたポテトチップスが添えられていた。
僕にとってのバーベキューは、金串に刺した肉料理のことだったのだ。

忍者ハットリ君の好物のサンマは、いつも七輪で焼かれていた。
七輪はアウトドアであった。
七輪は、家の中での調理では、煙がこもる、臭いが付く、
といった物を外で調理するための物だった。

テーマパークに行けば、家族4人で3万円を下ることは無い行楽も、
バーベキューなら、お父さんはお酒を飲みながらの家族サービスで、
この時ばかりは存在を主張できて安上がり。

で、このGWはオートキャンプで安上がりに
お父さんの威厳を取り戻した家族は多かったことだろう。

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