2000/08/11更新
今日のエッセイ
豪雨直撃

「こんな日だからこそ、あえて訪問するんだ」
とは言ったものの、 実際に外に出ると、とんでもない天候だった。

突然の豪雨で、まさに横殴りの風と雨の中、決死の覚悟で出かけた。
タクシーは、「こんな雨風の中、呼びだしやがって」
という、無言の雰囲気を漂わせていた。
いつもは車であふれる道路は、川のような状態。
対向車の上げる水しぶきで、時折視界が0になりながら、必死でタクシーは走る。
水の抵抗のせいだろう、車のギアは、一段低いポジションが選択され、
その分、エンジンの音も大きくうなっている。
車体の裏にかかる水の音、車が水をかき分ける音、対向車の水しぶき、
それに、真後ろからたたきつけるように当たってくる雨。
水の中をスイスイというわけには行かない。船じゃないんだから。
しかし、走っている間中、水が発生源の音を聞き続けた。

1時間ほど後、出た頃の暴風雨はおさまり、空も、幾分明るくなっていた。

一年前の玄倉川、数日前の谷川岳、東京湾の竜巻。
夏休みは、楽しい思い出だけを子ども達の絵日記には描いて欲しいが、
無理をせず、予期せぬ危険から子どもを守るのも、親の役目。
残り少ない夏休みは、良い思い出を作って欲しい物だ。

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