2000/07/12更新
今日のエッセイ
BRIGHT BRIDE

これまで、いろんな式に出席し、また、見る機会もあった。
それぞれに心のこもった、素晴らしい結婚式だったが、
そのなかでも記憶に残るのは、ハワイのロイヤルハワイアンホテルの結婚式。
海に面した庭に、海に向かって祭壇が作られていた。
庭の前はワイキキのビーチで、背の低いフェンスが間にあるだけ。
ホテルのロビーから海に向かって、赤い絨毯が敷かれ、その先に神父様が待つ祭壇 。 絨毯の両側には、家族や友人が、正装をして座っている。
海を渡って吹く風が心地よい。

準備が整ったところで、朗々と歌が流れ始めた。
伴奏もなく歌い始めたのは、正装をした黒人の男性。
新郎・新婦の前には、正装した男の子と女の子が先導し
ワイン色のロングドレスを着た、2人の美女が後ろを歩く。
アカペラと波の音だけのBGM。
南の島の日射しは強いが、気持ちのいい風のおかげで、心地よい。

新郎と新婦は海に向かって歩き出す。
フェンスの向こうにはビーチの海水浴客。
ホテルの庭と、ビーチ、列席者と海水浴客、
それが、何の違和感もなく溶け合い、周囲にいる人みんなが自然に祝福を贈る。
とってつけたような賛美歌を、みんなで歌うこともなく、神父様の話と、
誓いの言葉と口づけ。
シンプルで、心のこもった、そして、明るい結婚式だった。

今週、久しぶりに結婚式に参加する。
かつての僕の部下だった女性の式だ。
そして、彼女のおなかには、新しい命が宿っている。
式の形や大きさより、明るい結婚生活、元気な赤ちゃんを心より祈る。

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