2000/12/18更新
今日のエッセイ
炬燵とカブトムシ

今年は12月に入っても暖かい日が続いていた。
このまま、冬が来ないのかな、と思えるくらいに。
しかし、やっぱり来るものはやってきた。

慌ててコートや冬服を引っぱり出し、 ふとんも一枚増やした。
エアコンの運転モードを「暖房」に切り替える。

子どもの頃は、冬になるとストーブと炬燵を出すと、
冬がやってきたんだと実感できた。
炬燵に入り、ミカンを食べながらテレビを見ているうちに、
いつの間にかうたた寝してしまう。
ウルトラQを見ていて、怖い怪獣が出てきたら潜り込んだ。
炬燵の赤い光の中から、恐る恐る外に顔を出していた。

今、都会の集合住宅では保管場所の問題などで、
炬燵やストーブがほとんど見あたらない。
子ども達にとっては、クワガタムシやカブトムシのように、
めったに見ることができない物となってしまっている。

21世紀へ、子ども達と一緒に持っていける物は、
思い出と何だろう。

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