【こそだて】産科・小児医療の現場から

2009/05/21

感染目的パーティーとは?

5月10日付の記事で「感染目的パーティーやめて」という見出しが目にとまりました。新型インフルエンザの感染が拡大しているアメリカで、わざと感染して免疫をつけようとする考えが出ているとのことです。強毒性でないという事で感染しても大丈夫だと思っているのでしょうか。それとも、今は弱毒性だから病原性が変化する前にかかってしまった方が良いと思っているのでしょうか。


なんて無茶な思いつきでしょうか。一般的には弱毒性と言われてはいるものの、個人の免疫状態によってはどのような症状、病状になるかは未知の部分もあるわけで、私だったら怖くてとてもそのような気にはなれません。


これと似たような考えで(これは私の診療所でも時々経験するのですが)、「水ぼうそう」や「おたふくかぜ」はワクチンを接種するよりもその病気になった方が、免疫が確実につくから良い、と言う親御さんが時々いらっしゃいます。確かに、ワクチン接種よりも自然感染の方が抗体の獲得は確実ですし抵抗力は長期にわたります。一般的に、はしか・水ぼうそうやおたふくかぜは一度病気になれば二度とその病気にはかからないいわゆる「終生免疫」が得られると言われていますが、厳密に言うとその考えは「誤り」です。病気になると抗体というその病気に対して抵抗する力(免疫)が得られます。しかし、長期間(10~20年以上)そのウイルスの感染を受けないでいると少しずつ抗体の量が減少してきて、二度その病気になることがあります。しかも、自然感染の合併症はワクチン接種の場合よりも一般的に症状が強くなります。


ですから、意図的に病気にかかって免疫をつけると言う考えは持たないでください。ほとんどの場合は首尾良く事は運んで「免疫」を獲得することが出来るでしょう。でも、万が一のことが起きたら・・・。私は自分の子どもには怖くて出来ません。


山口小児科内科 
イルカ先生のちょっとひとこと より


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