【こそだて】産科・小児医療の現場から

2009/01/22

おなかに来る冬の風邪とは?

冬になるとインフルエンザウイルスに代表される風邪症候群の流行シーズンに一致して、いくつかのウイルス性胃腸炎が、特に乳幼児中心に流行します。ことに冬の嘔吐下痢症といわれるウイルス性感染症は重要で、乳幼児中心のロタウイルス(人から人への直接的な感染が多いといわれる)感染や稀に赤痢菌、食物媒介の胃腸炎、生牡蛎の感染、あるいはヒトカリシウイルス、などは冬の消化器感染として有名です。


特に
1 感染性胃腸炎
2 ロタウイルス・・・小児胃腸感染の半数以上はこれとわれています
3 細菌性赤痢
4 腸管出血性大腸炎
5 抗菌剤治療にともなう胃腸炎・・これは感染ではないけど、抗生物質などで胃腸炎症状を起こす場合など
6 アレルギー性にかかわる胃腸症状


などさまざまです。
なかでも、乳児の嘔吐下痢のほとんどであるロタウイルス感染は感染力が強く、下痢便中に多量に排泄されるウイルスなので、そこから手を介してほかの食器や食物にウイルスを移し、それを別の人が食べるという糞便感染が一番多いとされています。また、空気感染も否定できないと言われています。再感染も何度も起こします。生涯免疫はできません。特に年長の大人では感染しても軽症や無症状が多く、しかし糞便にはウイルスが出ていて、そこから家庭内の乳幼児に感染するという例が多かったり、幼稚園・保育園などの集団生活で子供どおしの接触によるなどもあります。


新生児は感染しても軽いか無症状が多いのですが、一番症状が強く出るのは、6カ月から3歳の乳幼児です。潜伏期は48-72時間。主症状は嘔吐(90%以上)、下痢(ほぼ100%)発熱(50-80%)。初発は嘔吐、半日遅れて下痢、発熱が多いです。咳や鼻水などの呼吸器症状も30-40%に認めます。ウイルス性なので対症療法を行います。特効薬はありません。自然治癒傾向はあります。大体嘔吐は3日くらい、下痢は1週間くらいで確かに自然治癒しますが、 3歳未満の子供が多く、下痢・嘔吐と食欲不振とで脱水症状を起こし易く、入院も少なくありません。早期から脱水予防の対策で経口電解質液投与を家庭でおこなうなどの指示をしますが、ただ点滴になる場合も多いです。小さい子は脱水が進み易く、その対策は早期に行うことが肝要でしょう。


篠原内科外科耳鼻科
 耳鼻科50音辞典 季節の話題と耳鼻科、風邪症候群について より


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