2008/10/9

Q:子どもが自分の感情を出しすぎるときは?

◆投稿者:女性・30歳(子ども=女4歳)

わが家のやんちゃさんは、3歳から保育所に通い、4歳からは幼稚園に通っています。何かあるとジダンダを踏んで怒ったり泣いたりと自分の感情を出しすぎるので、どう接したらいいのかわかりません。「言うことを聞きなさい」と怒っても、しばらくするとまた言いたい放題、したい放題。

幼稚園では「とってもいい子ですよ」と言われますが、私が幼稚園へ迎えに行った時や家にいる時はまったくのきかん坊です。周りからは私が怒りすぎだと言われてしまい、一体どうしたらいいのか……。口を開くと怒ってしまいそうで、子どもに何を言われても言葉が出ません。子どもからしたら、私から無視されているように感じるのではないかと思うのですが……。

不妊治療の末、やっと授かったわが子。子育てについて初めて本気で悩んでいます。


A:感情の発散は、子どものエネルギー

◆日高 潤子(ひだか じゅんこ) 先生
日高先生

目白大学人間学部心理カウンセリング学科准教授。専門は臨床心理学・家族心理学。主な研究テーマは、家族およびソーシャル・サポートを生かす臨床、効果的な心理学教育など。執筆は「“落ち着きがない”と悩む母親への助言」(『児童心理』1999年金子書房)ほか。

まずは、ご相談くださったお母様の勇気と前向きさが素晴らしいと思います。寄せられたメッセージを素直に受け入れていらっしゃるご様子も素敵です。

さて、子どもさんですが、家と幼稚園で態度が違うようですね。これは、子ども自身のメッセージ。家では言うことを聞くのに、幼稚園では先生の言うことを聞かないという場合、子どもはお母さんとの間の緊張感を、幼稚園で発散している可能性があります。

今回の場合は、保育園から幼稚園に変わったことでストレスや緊張感を子ども自身が感じているのかもしれません。通う場所、指導の方針、先生など、子どもにとって環境が激変していることも、考慮してあげましょう。

3〜4歳の頃は、自己主張をしっかりとし始める時期でもあります。感情を出すということは、発散の方法を身につけつつあるということ。怒ったり泣いたり……、お母さんは大変ですが、感情をため込まず上手に発散できるエネルギーがある元気な子どもです。幼稚園という公共の場では手伝いができる、家という私的な場所では発散できる……と、環境によって態度を変えられることは、子どもが健康に育っている現れでもあります。

子どもの怒りはその場で「これがイヤだったんだ」と言葉で受け止めて、落ち着いたら「こうしたらいんじゃないかな?」と発散の方法を教えましょう。それが身についてくれば、子どもも言葉で伝えられるようになっていきます。

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