2004/4/8

Q:長崎の事件に想う

◆投稿者:女性

長崎の事件、犯人つかまりましたね。まさか中1とは……。たった4カ月前までは小学生だったんですよね。ここ数十年で世の中が劇的に変わってしまい、わが家の子どもがおとなになる頃にはいったいどんなふうになっているのか不安になりました。

犯行に至った原因はなんなのか。いくつもあるかもしれないけど、ゲームやテレビも原因じゃないかと私は思うんです。血がドバーと出て死ぬ。そんな映像ばっかり見ていると、殴ったくらいで死ぬとは考えられないんじゃないだろうか? 死んでも実感がなくて、だから遺体を平気で放置できるんじゃないか? などと思ってしまいました。ゲームやテレビの発展とともに(低年齢からゲームをするようになるにつれ)犯罪の質も変わってきてる気がします。

あとは、家族のあり方の違い。昔に比べて、親の生活が中心になっている気がするんです。夜中に小さい子を連れて、買い物をしている姿もよく見ますし…。少子化と騒ぐわりには、子どもが住みやすい世の中には全然ならなくて(子どもが住みやすくなれば親も住みやすくなるのに)。テレビアニメも玩具を売りたいがための内容が多く、お金儲けがすべてだし。
この事件も少子化も、なんだか社会の問題の根っこのところが繋がってる気がするんです。こう思うのは私だけでしょうか?



A:ふつうの日常を積み重ねる大切さ

◆大日向雅美(おおひなた まさみ)先生
恵泉女学園大学教授。文部科学省「今後の家庭教育支援の充実についての懇談会」座長などを歴任。著書は、『子育てと出会うとき』(NHKブックス)、『母性は女の勲章ですか?』(扶桑社)、『子育てが嫌になるとき、つらいとき』(主婦の友社)ほか多数。
2児の母。

この事件をきっかけに、「子どもが被害者にならないように守りたい」「子ども自身が将来加害者にならないように」という2つの不安を持たれている方も多いでしょう。でも子育ては、子どもの成長を楽しみに、将来を夢見ることでがんばれるものです。もちろん、注意するに越したことはありませんが、犯罪の影におびえたり、加害者にならないようにと、取り越し苦労しすぎては子育てを楽しめなくなってしまうのではないでしょうか。

子育ては一日、一日の地道な積み重ね。目の前にいる子どもとの生活に向きあい、楽しんでほしいと思います。決して特別なことではありません。

朝起きて「おはよう」と言葉を交わす、一緒に食卓を囲む、一緒にお風呂に入ったり、寝る前に絵本を読み聞かせたり……。気負うことなく、地に足をつけて、衣食住の基本を大切にしていきましょう。子どもは一日一日と成長していくものです。いきなりキレる子になるわけではありません。

子どもが小さい頃にはすごくかわいがっていたのに、中高生になると極端なほど放任になってしまう親が少なくありません。親の関わり方は、子どもの成長とともに変わっていきます。でも、親が子どもに関わるエネルギー自体は、変わるものではないはずです。
また、子どもが被害者にならないようにと、いつもいつも目を離さないでいるというのは難しいことですね。子どもは人の中で、社会の中で育っていくものですから、常に他人には疑いの目を持つようにと教えることにはジレンマを感じます。

親だけが、子どもの行動範囲すべてを見守ることは不可能です。親も周囲の人たちも、監視するということではなく、子どもの成長や発達に関心を持って、見守っていくことが必要だと思います。
       
       

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